果樹ってやっぱりお先真っ暗?!

果樹経営をどうする、みたいな話にちょこっと関わっている。

このところ経営者や産地を苦しめているのは単価安。もうこれは不景気がどうこうではなくて、果物が食べられなくなっている、という構造的な問題なんだと思う。

ちょっと前に、とある商店街でイベントをやって、ちょこっと果専店の人とも話ができた。そのついでに商店街をうろうろしてたんだけど、あるセルフ店舗の目玉で売られていたのが、「ラ・フランス1個49円」。うーん、ですよ。

果樹の単価で一番苦しいのはたぶん日本ナシ。リンゴやモモと違ってどこでも同じものを作ってるようなところがあって、どの産地も同じような課題を抱えてる。量販が1個の値段から弾いて22玉ちょうだいといえば、そこだけ値段があがる、というような市場の仕組み。新品種もでているけど、幸水豊水新高の穴埋めにとどまってる印象。

だからっていって、(農商工連携なんかでありがちな気がするけど)ナシを使ってデザートを作りました、ってのも本質的な解決になってないよねえ。農業新聞の記事にはなるかも知れないけど。

果樹の消費は今後も細る。景気が戻っても消費は戻らない。このところを産地も流通も意識揃えてやってかないと、と思う今日この頃なのでした。

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コメ関係の調査とフィットが帰ってきた話

コメ関係の調査を若干お手伝いすることになってその打ち合わせ。
サンプルを配るというのでホームユーステストをやることにした。
といってもコメだから調理の仕方というのは限定されてますけどね。
調査をやる側の思惑がいまいちはっきりしてなかったりするのが悩みっちゃあ悩みなんだけど、それに乗じてこっちがやりたいことを混ぜ込んでいけばいいのかな。

自分の産地のポジションみたいなことを明らかにしたい、っていうのもオーダーする側の意向の一つではあるんだけど、魚沼産コシヒカリとあきたこまちときらら397をプロットすれば自分の立ち位置がわかるわけでもないぞ、という話をさせてもらった。ブレンドの原料として大事っていう役割ってのもあるわけだし、外食や中食を無視しちゃ農業はもうやっていけないでしょ?っていうと、うーん、ってなっちゃう。こうありたいという姿と現状とのギャップが大きいんだろうね。

特定の産地であったり、生産者や組織を売り込む、っていうんじゃなく、今回は県レベルをひとまとめにする調査ということで、ばらつきがそもそもあることをどう組み入れるか、っていう課題もあり。

〆切はいつですか?ってきいたら20日だって。ぎゃふん。

  ☆

バックホウに擦られたフィットがちゃんと直って帰ってまいりました。
で、示談書に判子も押したのでこれで完了。
10割向こう持ちなので金銭的には何にもなかったけど、いろいろと時間をとられたりはするので(当たり前だ)、もういやですね。

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コンビニ運,直売所と経営発展

出張で弘前に行った.青森県自体,目的地としていくのは初めて.
Hirosaki 普段,1泊や2泊の出張に行くときは,宿泊は素泊まりで予約をして,朝ごはんは前の夜にコンビニでサンドイッチなんかを買っておく,というのが私の出張食生活.
弘前について,やばいと思ったのが,コンビニが見当たらない.
去年,鳥取に行ったときもコンビニがなくて困った思い出が頭をよぎる.時間があったので歩き回って見つけました.よかったよかった.2泊3日でいったんだけど,結局4件くらいは見つけたので,全然ないっていうわけではないんですけど.コンビニ運がないんでしょうか?

  ☆

出張というのは学会だったんだけど,私が聞いた個別報告で,給食へ納品している直売所グループの事例を報告したものがあった.
ちょっと質問もさせてもらったんだけど,「ムリをしない」っていうことを大事にしておられるようで,給食に出荷はしてるんだけど,給食のために何かする,ということはないらしい.
グループを構成している人の多くが高齢の女性ということで,家庭菜園の延長でつくったものを「なんとなく」給食に出荷してる感じかな.間に行政が入って調整などしているみたいです.

直売所そのものもそうなんだけど,業務用野菜なんかのシビアな出荷調整を見ていると,こういう「今やってること以上になんかやるのはめんどくさい」型の出荷を持ち上げるのっていかがなもんでしょうねえ,と思う.これが直売所に,または給食に出すために作付やら収穫やらが変化して経営にプラスの影響をもたらしてるならいいと思うんだけど.

半ば趣味でやってる「ムリをしない」あるいは「めんどくさいことは増やしたくない」活動に税金使ってるわけで,これが顔の見える関係だとか生き甲斐だとか,様々なほめ言葉で取り上げられちゃうのって,市民からみてどうなんでしょうねえ.

個人の経営発展に寄与しないと,金の切れ目がなんとやらになっちゃうよ.

  ☆

Can お土産に買ってきたリンゴジュース.冷蔵庫に入れておいたのがワタシの足に落ちてきて非常に痛い.こんなにへこんだのよ,の画像がこちら.

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わけあり○×と相場依存

農業関係の仕事をしているので,ときどき,農産物の斡旋というのが回ってくる.
昨日は,「わけあり梨」というのが来た.雹害にあって,ちょっと傷がついてますがお安くしますよ,というのもの.

一般のスーパーなんかでマスコミ向けに(すみませんねーほんとの事かいちゃって)やる分にはふーん,なんだけど,私たちのような農業関係者はもっとやることがあるんじゃないか,と思う.なにかといえば,「雹害を免れた梨をまともな値段で買うこと」だ.

わけあり○×っていったって,損が出るような値段にしてるわけじゃない.本当に買って欲しいのは雹に当たって傷がついたものじゃなくて,普通のものであるはず.だいたい,わけありを普通のものに追加して買うんじゃなくて,わけありは普通のものの代わりに買っている.つまり,わけありが売れればその分だけほんとに買って欲しいものは売れなくなる.

業界内部で斡旋するものくらいは,雹害がでたから生産者を応援するためにまともなものをまともな値段でやってくれれば,というのが理想.

  ☆

自給率が40%を超えたなんてのは誤差の範囲でこの秋からは悪天候の影響がいろんなところに出てくるはず.特に北海道のコメ.

規格外野菜を出荷,なんてニュースも出てたけど,野菜の半分は業務・加工用にまわっている,というのがこの国の仕組み.お天道様には勝てないとはいえ,外食や中食から見て,相場でこんなに価格が上下する,というのは国産農産物の供給側,すなわち,日本の農業の信頼性が著しく下がってしまうんではないだろうか.

市場とか農協とかを悪者にして,効率的な流通をして農業ビジネスを,なんて陳腐な議論をしたくはないけど,相場の上下による過去の高値の幻想に生産者が期待しすぎる現状もどうかと思うんです.一部の話ではあるけれど.

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直売所は鮮度が良くておいしくて?

農産物直売所が世間的にブーム.

私は直売所に関してはどっちかっていうと売るほうの立場にいる.直売所は鮮度がいいから評価されている,ってのは研究レベルでもいわれることなんだけど,私はそうかなーと思っている一人です.直売所で売ってるものの鮮度がいいってのはそうなんだろうけど,それを上手に活かしてるか?っていうと別なんじゃないか,という意味ね.

つまり,買って食べる側が「おいしく」食べているか,ってことなんだけど.

クルマで直売所にやってきて,クルマで買って帰るんでしょ?例えばホウレンソウとか買ったとして,畑から家までの間,それ常温にどれだけおいた?

で,帰ってきてその日のうちに買ってきたから食べましょう,となればいいんだろうけど,結局冷蔵庫にまた1日やそこら置いたりしてない?それで直売所は鮮度がいい,ですか.ふーん.

…とまあ,こんなイジワルなことを考えるんです.

新鮮なものほどおいしいってのはホントだと思う(冷やすとか熟成させるとかでおいしくするものは別だろうけど).私は味覚がダメなのでおいしいとかおいしくないっていう評価は人前ではしないようにしてるんだけど.

でも,直売所は新鮮だからおいしくて,スーパーで売ってる野菜は新鮮じゃないからおいしくない,とか,本当の味がどうしたこうしたみたいな消費者の調査結果なんかみると,なんだかねー,って思うんです.

卸や仲卸が生産サイドの怠慢(っていうと怒られるか)による対応力のなさを補って食卓に届けてくれている、ってのはほんとに感じるし、おいしいってなんだ?っていうことを突き詰めた結果が直売所ではないんだろうと思う.直売所を補助金でつくって,「鮮度・安全安心」ってあとづけでいう,みたいな感じ?

農家って,作ることのプロではあるけど,「おいしい」のプロじゃない.

と,独りサイゼリヤで畑からコールドチェーンで運ばれたというサラダを食べつつ考えました.パスタとサラダのセットにホウレンソウのソテーをつけて1000円ちょい.これが10%増しでも私は支払うことで産地を応援したいと思う.

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有機栽培のとなりに売ってる慣行栽培は危険なのか

今日はこれから休日出勤.お当番というやつで年に数回回ってくる.

  ☆

この間,有機農産物関係でちょっとしたプレゼン.

研究者のあつまりなんだけど,「農薬は安全」と「有機の推進」の両立って難しいよね,という基本スタンスでちょこっとしゃべった.

「有機農産物は安全っていうけど,慣行栽培だって安全でないの?」ということを述べさせていただきましたが,議論でなるほどな,と思ったのが3つ.

1)消費者の「安全」と送り手(または作り手)の「安全」は違うんじゃないか

2)事故に起因する危険性がある以上,食べないことで安全を保持するという考え方で,「有機農産物は安全」ではないのか

3)有機認証はとっても難しいハードル.慣行栽培のものが例えば同じ履歴を提供できるか

1)については消費者と生産者というレベルじゃなくて,市場や販売といった様々なレベルで「安全」の捉え方はバラバラだろう,というのが私の考え.いろんなレベルがあるからといって逃げるんじゃなくて,それらを貫けるのは「科学的根拠」に尽きるんじゃないでしょうかね.でかい声じゃ言えないけど,トレサとかどんなに生産者サイドでがんばっても*ーパーの*ックヤードでなんかやられたらアウトなんです.ついでに,安全安心ってまとめていうけど,情緒でやだなーっていうの(中嶋センセによると「安心」)と科学的根拠に基づくものは分けて欲しいと思うよねやっぱり.このあたり,安直な「安全安心」の乱発と消費者への迎合が問題を大きくしてるんではないですか?

2)危険だ危険だといって煽ってる方々のことはちょっと置いといて,有機農産物だってリスクはあるんだということを冷静に捉えるべきじゃないでしょうかね.プレゼンの後で見たのが「環境変異原学会」のシンポジウム資料.畝山さんのスライドでなるほどなと思ったのがどれだけの安全性マージンをとってるかという基準で健康食品やら一般的食品やら食品添加物やら残留農薬やらを健康被害が出る可能性によって並べた表.一般的食品に残留農薬や食品添加物のリスクが加わっても全体のリスクには全く影響がない.こういうことをすらすらっと消費者が理解できる教育が必要なんだよねーと思いましたです.私も良くわかってないし.

3)それがGAPじゃねえのかという話なんでしょうね.ただ,これは全部そうじゃなきゃダメということじゃなくてメニューのひとつであればいいと思う.コストがかかる方法なので国際的に国産の価格競争力は必ずしも高くないんじゃないかという危惧もあり.ただ,有機が認定をとるのが難しい(ってことはちゃんとしてるということ)ということと,有機農産物のどういうところに価値を見出しているか,ということはちょっと別なんじゃないか.

いずれにせよ,普通の農家が普通につくったものが普通の消費者に普通に買われること,というのが私にとってのパラダイス.もっというと「普通の値段で」というのも付け加えたい.日本の食はやっぱり安すぎです.

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飼料米がまた始まる

春ですねー、というわけで、田植えはいつだ?なんていう時期になりました。

飼料米関係のおシゴトは今年はちょっと距離をおいてやることになるんですけど、先日はその打ち合わせ。

やっぱり話題の中心は助成体系。いわゆる補助金の類。

国がやってる「えさプロ」という仕事がある。そのなかに飼料米の研究も入ってるんだけど、その目標が「反収800キロ,費用キロ100円」というもの。つまり、反当り80,000円のコメ作りだ。

国もよく引き合いに出すのが平田牧場の例。たしか飼料米の買い上げはトン当たり46,000円(間違ってたらごめんなさい)。キロじゃ買ってくれないだろうけどキロ46円になるわけで、800キロ取れるとすれば、40,000円ちょいの助成措置があれば継続できる、という具合。

問題は二つ。800キロは多収品種もでているので難しくない。目標は1トンくらいでも大丈夫か?というくらい。というわけでキロ当たり100円にもっていけるかどうか。精密な生産費をちゃんと出す、っていうことが重要だけど、飼料米ってそのあたりのデータの積み上げが乏しい。食用米の作り方でつくっちゃうと130円くらいじゃないのかな。

もう一つは買い上げ価格。平田牧場をモデルに、なんて皆さん仰いますけど、あれは平田牧場だけじゃなくって生活クラブ生協や遊佐町との継続的な関係があって初めてできている。それでさえ46円なんだ、と考えたほうがいい。

安直に、飼料米を給与することによって最終的な肉に付加価値をつけて、なんて夢としては美しいけど、そんなの作り手の思い込みだろ、と私は強く思う。

飼料米は政治的要素もあって、やんなきゃいけないのはわかるけど、やはり現場が気にするのは継続性。3年間は(お金が)もらえますよ、といわれますけどその後はいったいどうなるの?というやつ。このあたり、構造改革なんて言葉で語られることなんですけど、もうちょっとがんばらなくっちゃね。

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未利用資源のエサ利用

つくばにて、飼料米とエコフィードのシンポに参加。

いろいろと勉強になりました。エコフィードのほうは、MOTTAINAIと安全性がトレードオフみたいなところがあって、法的なものも含めてたいへんそう。

技術的な事例報告がいくつかあって、皆さん前フリに「消費者に食の安全・安心が高まってまして」なんていとも簡単に仰るので、うーん、と聞いてましたけど。

で、そのなかで発酵TMRに生の米ぬかを使って黒毛の肥育後期に給与する、という報告がありまして。エネルギー源としてもそりゃよさそうだ、と思うんだけど、当日の議論でも出ていたのが、どっからもってくるか、ということ。討論のまとめでも、座長が大家畜と中小家畜の間で奪い合いになっちゃいかん、のようなことにちょっと触れられていた。

ただ、大家畜と中小家畜なんてレベルじゃなく、すでに米ぬかなんて奪い合いが始まっているんだよね。私の組織でも有機栽培の資材として(除草だったかな?)、米ぬかがよろしい、ってやってたりするんだけど、それだってどっからもってくるの?っていう話になってたりする。

いわゆるバイオディーゼルのもとになる廃食油なんて、もとはただでもらってたものを、自治体が売れるとわかったもんだから見積持ってこさせたりするようになってるし。

未利用資源の利用ってのは難しいですねえ、と思ったのでした。

  ☆

ところで、つくば駅の近傍で、見たこと無いヒーローがなにやら撮影中のところに遭遇。ローカルヒーローか?ツクバァーンみたいな??

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「有機」のいいところ?

有機農産物の販促に関する調査結果を随分前に見せてもらっていて、分析をせねばならないのである。

やっぱり、有機は「安全・安心」「おいしい」「健康」「環境にやさしい」っていうのが一般的な見方なんだなーというのが感想。

とーぜん、「安心=情緒」と「安全=科学的な根拠」は分けた方がいいと思う。数値的に同じものでも、他人が作ったのは安心じゃないけど、肉親が作ったものなら安心です、っていうやつですね。

日本でまともに売ってる食品は(法を遵守する限りにおいて)安全である、というのが私の基本的な理解。っていうかそうあってほしい、でもある。

消費者の皆さんに対しては、あっちを向いて「農薬は(適正に使えば)安全です」、こっちを向いて「有機栽培のものがほしい人は有機JASマークがついてるものを選んでくださいね」、両方に向かって「安心して食べてくださいね」といわねば、いえねばならない。

「農薬を使ってないから安全です」とか、「有機農産物は実はリスクが」とか、恐怖商法のようなことはしたくないもんね。

でも、一般的にはメディアの影響が染み付いてんだなーと、調査結果を見てつくづく思ったわけです。だって買ったことがある有機農産物にリンゴやブドウが出てくるんだもん。ほんとに自分が買ってるものわかってる?って感じ。

小川孔輔センセのレビューにある論文あたりをざざざーっと読む、とかしなきゃいけない、んだろうなやっぱり。

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「農業経営学」ってなにで勉強する?

「農業経営学」なるものを勉強したい、と思ってテキスト探し。

とりあえず新しいところで新・木村本「現代農業のマネジメント-農業経営学のフロンティア」(日本経済評論社)をぱらぱら。

木村先生の本は、「成長農業の経営管理」を木村本、と呼んでいたので、なんとなくこっちを新・木村本と呼んでます。

  ☆

そもそも、「農業経営学」なる「学」ってあんのかな、っていうような疑問があったりする。もちろん学会もあるし、大学には講座もあるんだけど。

経営診断や経営分析、経営計画はあるけど、「学」としてどうなんだ、っていうのがよくわかんねえなあ、というときがある。「農業経営学」っていうテキストの章立てがそれだ、っていうことかもしれません。

  ☆

で、日本農業経営学会でもたしかいわれていたのが、「最近、『農業経営学』っていうそのものずばりのテキストが出てないんじゃないか?」っていうこと。古くは金沢、磯辺両先生が書かれた良書もあって、根本的なことは変わらないんだろうけれど、学会での話にワタシも賛成で、いま学生が手に取る定番テキストがないんじゃない?

  ☆

その点は、木村先生も書いておられて、「農業経営学」とは名乗れないという御謙遜から「フロンティア」というサブタイトルにした、ということなんですが。

個々にはいい仕事をされてるんだけど、入り口と出口を安直に求めよう(これがいけないんだな)とするとちょっと見えにくい業界、という感じです。

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畑のあしあと、他

今日から10月。衣替えである。さらばクールビズ、っていうかこのところ寒いので上着は着てましたけど。

  ☆

「やまけんの出張食い倒れ日記」というブログをよく見る。写真がきれいなのでお勧め。

で、そこで「畑のあしあと for W-ZERO3」というものが紹介された。なにかというと圃場での記帳をPDA を使って支援するもの。

私は直接こういったことに関わっていないので今すぐ使うことはないんだけど、よさげ、じゃない?

むしろ試験研究機関なんかの引き合いがあるんじゃねえか、なんて思いましたけど。そこからフィールドまで広がっていけばいいんだもんね。

  ☆

「ポニョ」いってきた。ワーグナー好きな人だといろんなことがわかるのかもしれません。だってブリュンヒルデだぞ。ネタバレを防ぐためにみないようにしていたCLASSICA のWhat's new にも見返してみるとちょっと書いてありました。

事前に情報を入れていた矢野顕子さんの声優ぶりも(ちょっとだけ)楽しみにしていたんだけど、ちょっと拍子抜け。まーこんなもんか?!

  ☆

このあいだ買い物に行って発見。軽い感じですね(いい意味で)。Tks

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米粉がなぜ注目されるか

旧聞ですが、9月1日の日本農業新聞の記事に、「なぜ米粉が注目されるか」というような記事がある。読者の質問に答える、という「ニュースなるほど」のコーナー。

で、米粉が注目される理由として二つ上げられていて、一つが製粉技術が進んだからで、もう一つが輸入小麦価格の高騰。

今後は米粉の安定供給が課題、なので、原料となる新規需要米に5万円の助成金を予算要求している、という記事。

うまいなあ、というか、いくらなんでもそりゃあないんじゃないでしょうか。

減反政策の失敗(それでもつづくんだけど)によって、コメ以外のものに生産が移らず、国内では余ってしょうがないコメをそれでも作らせ続けるための仕組みが新規需要米じゃないの?「5万円乗せてやるから余って困る食用米作んないでね、田圃でコメ以外のもの作れなんて言わないからさ」っていう意味でしょ?

加工や利用の技術なんて長いことやり続けてこられたものだけど、その成果がでたから米粉が注目されるようになりました、なんて、よくもまあ、という感想である。

米粉パンがやたらと注目されてて、「もちもちした」食感が受けてます、なんていってるけど、「もちもち」ってパンにした場合の褒め言葉かそれ??!!

  ☆

いつの記事だか忘れたけど、同じく日本農業新聞の記事で、美味しさをあらわす語彙が減っていることを危惧するコラムがあった。

食品総研の成果を引きながら、食感をあらわす日本語の数がすごーく多いっていうことと、「もちもち」「ジューシー」が40年くらい前に行われた調査では登場しなかった、ということを紹介して、何を食べても「やわらかい」「あまい」じゃだめよ、というような内容で私もそれには大賛成。「まったり」ばかりもどうかと思うけど、日本語が美味しさを表現する語彙ってもっと豊かなはずなのよ。

「もちもち」したパン?ふーーん。

農業サイドが一方的にPRしてる米粉パンじゃなくて、施策を背景とした米粉パンでもなくて、プロのパン屋さんが、小麦よりこっちのほうが優れているから、という理由でつくった米粉パンがもっともっとでてこないといけないと思う。少なくとも、米粉パンについては消費者のニーズが不在のまま推進されていることが多いように感じます。

  ☆

首相が辞意を表明したことでなんだか政治が騒がしくなってきた。選挙向けのバラマキがまた語られることでしょう。米粉と飼料稲もやたらと盛り上がるんだろうなあ。バイオ燃料とかもそうなんだろうなあ。遊休農地が全国でこのくらいあってそこで飼料稲(もしくは油糧作物)をつくればいい、なんて素朴な話がまたぞろでてくるんだろうか。嗚呼。

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飼料稲関係のシンポ

先日、とある学会で飼料稲関係のシンポ。

良質な粗飼料をきっちりやんないとだめ、っていう文脈で、基調講演でしゃべった先生(イギリス型の粗飼料多給型酪農の話をするんだろうと思ったらやっぱり、というあの方です)が一瞬、「飼料稲はそこまでのエサではない」といってましたねえ。まーいろんなものと組み合わせて使おうよ、ということなんでしょうけど。

パネルディスカッションでもあった話として、「目的化した飼料自給率向上」ってのが危惧される。いいエサをきっちりとって多給する、っていう使い方をするなら、自給率を向上させるために作ったエサなんて質の面でいいわけないしね。自給率向上じゃなくて、多給に耐えうるエサ作り、のほうが最近枕詞のように言われる「飼料と原油価格の高騰」にフィットするよなあ、と思ったのでした。自給率向上が目的のエサじゃなくて、多給に耐えうるエサじゃないと、経営の緩衝として機能しないもんね。

パネリストの一人の生産者の方が「生活のために牛を飼ってるんで自給率向上のために飼ってるんじゃない」っていってたけど、そのとおりです。

(ついでに遊休農地解消のために農業やってるんじゃねえ、ともいってほしい。あれも目的化しがちだもんね)

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ピーマンと唐辛子って

ピーマンと唐辛子って味が違うだけなんだって。知ってましたか?

いやー今日初めて知りました。「農業」カテゴリーをつくっておきながらすみません。

味が違うだけっていうのはあまり適切じゃない気がするな。

辛くない唐辛子を大きくなるように改良したのがピーマン、っていう感じかな?

ちょっとシゴトでピーマンの話があって、「食材図典」みてぶったまげました。改めておススメです。小学館です。一家に一冊です。

あまりにびっくりしたので家に帰って家人にいったら「あたりまえだ」という反応でした。ぎゃふん。

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「ブランドごっこ」

今朝のニュースで,建設会社によるゴボウ生産が楽にできます,みたいな技術について,近傍の大学が販売の面でお手伝い,というニュース.

自分のシゴトとも関係あるので見てたんだけど,「商標登録して地域ブランド取得」ということが核であるらしい.学生さんたちが思い思いに考えたロゴやキャラクターが映っていた.

いいことだとは思うんだけど,それで売れるか,というと…?

このブログでも最近ときどき書いてます「やまけん」氏の日本農業新聞での連載記事にあった「ブランドごっこ」を思い出す.

「シンボルマークやイメージキャラクターで,ブランド化をしましょう」といったこと「ブランドごっこ」を(特に行政が)よくやるけど,そんなんでブランド化ができるんだったらだーれも苦労しませんよ,って私も思います.

「ブランドごっこ」の記事でも使われていたのが,「マーケティングアドバイザー(だったかな?)」を招聘してどうしたこうした,なんて事業のポンチ絵の写真.どこのだかわかんないけど,いろんな自治体でそういうことにお金使ってるよね?

ブランド化って,ほんとに必要なのか,っていう検討をした上でいってんのかよ,と最近思うことが多い.まず,「ブランド化」をすれば有利販売ができるようになる,だから,シンボルマークだイメージキャラクターだ,っていう「ブランドごっこ」をすればよい,この事業は3年間でやりましょう,なんて無茶苦茶なことが,ほんとに行われているんである.

「交通事故ゼロを目指そう」というスローガンを道端に掲げることで,交通事故が減っているなあという実感がある方はそう多くないと思う.あのスローガンを見て,そうだ気をつけなければ,と思う人もそう多くないんじゃないか?

農産物の販売だって一緒.コメをもっと食べましょう,とか,自給率を向上させましょう,このシンボルマークを覚えて,この野菜を買ってください,っていうようなことで,自らの消費行動(これがそうそう変わらないのだ)を変化させる人がどれだけいるのか.

と,ここまで書いて,求められてるのは批評じゃなくて回答だ,ってのはわかっちゃいるんだけど,ううむ.

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飛騨牛で偽装,だそうだけど

飛騨牛を販売していた肉屋さんが飛騨牛でないものを混ぜて売っていた.

等級で「飛騨牛」になれる牛は決まるんだそうで.いわゆるブランド牛(と,ブランド牛になりたい牛)はみんなそうだろうけど.飛騨牛は3等級以上でいいんだね.

で,なんと2等級も混ぜていたらしい.そんなの短角だってでちゃうよ.

一流ホテル(KOプラザでしたかね?)の料理長という人が名前つきでNHKニュースに出てきて,「等級でお客様にも説明しているので困る」というようなことをいってたと思うんだけど,プロなら見た目で判断してくれえ,と思ったのは私だけ?

あ,肉質等級を左右する大きな要素の一つが脂肪交雑,いわゆるサシ,霜降り.で,これは目で見て判断するんです.

その料理長が持ってきた肉もあんまりたいしたことなかったような.いわゆるミミズザシで,霜降りの模様が粗いのだ.この場合,細かいほうがエライ,とされている.

  ☆

ただ,ここまで書いてきたけれど,和牛って誰が食べてるんだろうなー,というのが私の疑問.特に5等級くらいのやつ.私個人は,半分が脂肪の肉を美味しいと思わない,美味しく食べられない.2等級や3等級くらいが好みでございます.これって和牛としては完全にアウトな肉質なんですけど.

じゃー,一般的にどうなのかっていうと,私が変わってるわけではないんでないのかなー,と思う,というか信じている.

  ☆

ブランド牛って,雲の上の存在としてありがたがるものであって,財布や味覚や栄養,食事のとり方との兼ね合い(これを食生活,といいます)のなかで,フツウの日本人の選択肢には入ってないと思う.

ファーストクラスの飛行機とシルクのスーツ,居酒屋タクシーがデフォルトです,という方は別として.

じゃー,日本に雲の上の存在のブランド牛がどれだけ必要なのか,といえば,そんなにいらんでしょ,普通に考えて.松坂牛,神戸ビーフ,米沢牛,近江牛,前沢牛,とこれでもう5つ.

和牛のブランド化を図りましょう,なんていってる産地はいっぱいあるけど,果たしてそれ,必要なことでしょうか?そもそも,実現可能性を考えて税金つっこんでますでしょうか??消費者の姿が見えていますでしょうか???

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やまけん氏の記事で反省

日本農業新聞のやまけん「舌好調」.今日の記事では,「これまでいろいろ紹介してきたけど売り込みは1件だけで拍子抜け」といったことが書いてあった.

確かにワタシも「こんなのがあるよ!」というアクションを起こせば起こすことができたはずなのに,なんにもしてなかったわけです.すげー反省した.

同時に,自分がこれなら薦められる,というモノをもっているか,本当にそのモノに自信があるか,という問いかけを自分に向かってするわけです.

あー,自分が関わっている農産物やその加工品でさえ,自分はよくよく知らずに仕事してるんだな,と再び反省.

まだまだ勉強が足りないねえ.

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減反VS反減反?!

環境にやさしいとやさしくない,みたいな低レベルの議論である気がする生産調整推進vs減反やめるべし,みたいな構図.

  ☆

官房長官の(ぎゅぎゅっと縮めると)「世界的に食糧が足りないんだから減反を見直したらどうだ」という発言を受けて,とーぜん身内から勝手なこというな,といった反論が出た.

現官房長官の真意みたいなのってどうも分かりかねる(UFOとかさ)んだけど,講演でしゃべったとはいえ,ひょっとしてこれって個人的に言ってるのかな?(今日の一貫でも「町村さんのことだから」なーんて書かれてましたですね)

生産調整をやめる,やめないの二元論ではないんだと思う.

コメあまりが40年近くも大きなトレンドとしては続いている.減反施策もほぼリニアに進んできた.能力の低い経営コンサルの常套句じゃないんだから「いちどゼロにして」「全部チャラにして」なんて話はありえない.生産調整がうまく機能していないのは明らかなんだから,見直しは絶対必要.やはりここは「真の意味で生産者が独自に選び取る生産調整の仕組み」として,一つの選択肢に生産調整を位置づけること(大泉センセの「手上げ方式」ってのが言葉としては通りやすいかな?),が解決策じゃあないんでしょうか?やめるやめないの話じゃなくて.

ニュースでも大潟で生産調整が進んでますよー,というどっかが強力に後押ししたような報道がされていたけど,秋田宮城新潟といった「農政のシモベ産地」の生産者はどう思ってるんだろう?俺達はいうこときいて「ちゃんと」やってるのに,だろうか(減反とか品目横断とか,補助金施策にノルときには「ちゃんと」ってなぜかいうよね).千葉茨木栃木あたりでは横向いてベロだしてるのかな?売れてる産地では農協自らコメつくれ,といってたりするみたいだし.

  ☆

総理大臣も困ったもので「みなさんも若いんだからもっと食べてよ」「(消費拡大で)自給率は自然と上がる。できることからやりたい」というようなことを言っておられて口あんぐり.総理大臣が「食べてよ」といったから消費が増えて自給率も向上する,なんてことを本気で考えているとは思えないけど,もし,そう考えていない上での発言だったらあまりに無責任じゃないだろうか.

  ☆

今日もワタシの職場では偉い人たちが集まってコメをどうする,という議論をするらしい.そこで何を議論するのかはわからないけど,スタンスとして,「政治力学に振り回された単年度限りの場当たり対策」を議論するのか,「長期的な視点で,担い手をどうするということも含めた水田農業のあり方」を議論するのか,でだいぶ違うよなあ,と,届いたばかりの生源寺「農業再建」のあとがきを眺めながら思ったのでした.たかが学者のいうことだ,っていう人もいるけれど,ロクに勉強しないで場当たり行政やってる連中よりは学者のいうことのほうがなんぼかマシだよ.あ,行政批判じゃないですよ.

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減反への発言で思う

減反に官房長官が発言.減反と報じているメディアがあるけど,生産調整,というやつですね.

もちろん,自民党内部から反論が出たわけですが.

  ☆

それにしても,なんだか,農水浮いてねえか?なんていう気がする.

いま農業分野に必要なことは,如何に外からオカネを引っ張ってくるか,ということなはず.どうやって上手に経済に巻き込まれていくか,ということを考えないと.農商工連携,なんてのはその文脈だと思うぞ.

だから,「農業は特別」みたいなことはあまり声高に言わないほうがいいんじゃないだろうか.農業の特殊性を強調することで,農業に向くかも知れないお金がよそを向いてしまうことだってありそう.だってめんどくさいもん.

めんどくさい特殊業界である敬遠される,農業とばしが,農水の囲い込みと同時進行してるんじゃないか,なんて怖いことを考えてしまったのでした.

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やまけん舌好調

日本農業新聞の後ろのほうに山本謙治氏が「やまけんの舌好調」という連載を書いている.

少し前に,そろそろ連載も終わりだから書きづらいようなことも書いちゃうよ,というような前フリで始まったのがマーケティングの話です.

本日5月29日の記事は,ついコピーして切り抜いてデスクマットにはさんでおいた.ああ,書いてくれてありがとう!っていう感じ.

なにかといえば,「ブランド化」の話.

私も機会があると,キャッチフレーズとかシンボルマークとか公募とかで,ブランド化だなんていわないで下さいねー,といっては嫌われている.ハッピやノボリだイベントだ,で販売対策です,ってのもやめてくださいねー,ともいってはまた嫌われている.

でも,やまけんさんおっしゃるとおり!特に行政がやるブランド化って「ハァ?!?!」なものが非常に多くてこっちが赤面しちゃうよ,っていうのがフツウ.

だいたい,ろくに買い物をしない人が「消費者のニーズ」がどうたら,ってやってたりするんだもん.そりゃー,ねえ?

  ☆

ちなみに明日はマーケティングではないけれど,販売関係のシゴトの打ち合わせ.雑談のネタにしようかな.

  ☆

やまけん氏の新刊「日本の食は安すぎる」も入手.ぱらぱらっと見たけど,面白そうな感じ.

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ちょっとアレじゃあないですか?

今日から日本農業新聞で飼料米の話が3回シリーズで始まった。
岐阜県の成果が紹介されていて、飼料米で濃厚飼料の30%が代替できますよ、というようなことが書いてある。
きれいなカラー写真とともに、圧片と粉砕処理をした飼料米で、A5でBMS9、だって。
これ見てすげえ!と思って「飼料米をどんどん推進すべし。和牛肥育は飼料米でできる」なんて思っちゃいけねえです。行政の皆さんはそうしたいんだろうけど。

本家岐阜県畜産研究所のホームページを見ると、ちゃーんとデータが表になっている。地域基幹でやったんだねこれ。
粉砕した圧片モミ、粉砕しない圧片モミ、対照区の3区構成、試験区各6頭対照区7頭。
BMSの平均(?)はそれぞれ、7.0、6.8、5.7…全部4等級じゃん。対照区もちょっとぱっとしない感じだし。

でもよくわかる。血統そろえるのも大変だし、予算や施設の都合で、頭数だってこのくらいが精一杯なんだろう。そうやって一生懸命だした成果が平均のBMS7という数字だ。なのにその平均を引っ張りあげたうまくいった1頭のデータだけを出して、5等級です、BMS9です、といってるのって、如何なもんでしょう?

農協の機関紙として飼料米の推進が第一義というのは理解できないわけじゃあないけど、農業を専門とするメディアとして,研究成果の紹介の仕方としては、ちょっとなあ、と思うんです。

コメを何とかしなきゃいけない。みんながそう思ってる。

だから、もう腹を括らなきゃいけない。ほんとに動かないと,動かさないといけない。

なのに、水田とコメ農家(某党の大票田。いうまでもなく)の維持のために(?)、構造改革(っていっちゃうと,途端に陳腐になるんだけど)をまた先送りするのかあ。飼料米なんて場当たりでしかない、と私は思う。しかし、30円でもやるのかね?

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飼料米への暴風(追い風)

21日の日本農業新聞の論説は飼料米スペシャル.やれやれつくれ,という内容.とーぜん,ちゃんと買ってあげるんだからさ,というのが前提.

飼料米のいいところは,コメであること.つまり,失政の結果,日本が田圃だらけでコメがあまり放題になっている状態でも,そのままコメをつくり続けてもいいですよ,というところにある.

田圃のまんまでコメをつくり続けられて,なおかつ,食用とバッティングしないんだから素晴らしいじゃないですか,とすんなりはいかないのだ.

飼料ってのは家畜や家禽のエサ.エサに対する(特に価格の)要求はシビアだ,ということが,推進する側に理解されてんのかな,という疑問はある.飼料価格が高騰してるから,といっても,エサとコメ農家が売りたい価格はゼロが一つ違うくらいの話じゃないか.

コメ農家の大多数は副業でやっている.それで飯を食う必要はない.だから,いわゆるドンブリ勘定になる.自分の経営の生産コストなんてわかってない人のほうが多いから,米価が下がって困りましたねえ,なんていってるけど,米価って何円単位?飼料米の受け手になる鶏や豚のエサ代なんて銭単位で取引してるのに?!

と,いうわけで,麦や大豆でうまくいくとは思ってないけど,生産の仕組みを根っこから変えようとしない飼料米は場当たりでしかないし,そんなの畜産にとっても有益な話ではない,と思います.エサに対する要求としては,とにかく安定して質と量が供給される,ということが必要.食用米よりは手抜き管理ができる,なんていいわけは通用しねえぞ.

冒頭の農業新聞ではWCSの話が出ていたけれど,よく,「畜産サイドでは飼料稲って欲しいのか?どれくらいなら受け入れてくれるんだ?」なんて茶飲み話として言われるけど,「イネだから食わないことはない.ただし,牛舎まで持ってきてくれて,サイレージ調製に失敗してるのは突っ返してもかまわないからいくらでも受け入れられるんじゃないか」と答えてます.少なくても私はそう思うから.

  ☆

という話が新聞に書いてあった日に,「やまけんの出張食い倒れ日記」を見てみると,飼料米で育てた卵のきれいな写真がのっていた.

本文にも書いてあったけど,黄身の色なんて事実どーにでもなるので,オレンジ色に近いものをありがたがる,みたいなのはこっち(畜産)側の啓蒙が足りないんだろう.ある意味反省.

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学会へいってきました

Maxcoffee出張おわり.くたびれたー.

出張というのは,宇都宮で開かれていた日本農業経済学会への参加.報告もしたんだけど,まーこんなもんでしょ,という感じでしょうか.テクニカルなところは全然突っ込まれなかったし,大きな傷はないと思う(あるいはそう思いたい).

初日のシンポジウムは,全部はきけなかったんだけど,その夜の懇親会(ギョーザもでたよ)にはきっちり参加してまいりました.自治体の人とも話ができたんだけど,やっぱりシンポジウムでの集落営農の議論は,ちょっと現場から乖離しているところがあるかな,というところで「?」みたい.「オカネをもらうための集落営農はまだアリだけど,営農の仕組みとしての集落営農はもう終わってる」というような話をした.翌日の特別セッションでも,報告者の一人(地元栃木県内の農業者)が,「集落営農は集落を壊す.近くに住んでるからといって仲が良いわけではないし,多少離れていても考えの通じた人と組むほうがいい」というようなことをいってたもんなあ.

シンポでの安藤先生の「集落営農の安定性は,その社会の安定性による」(私なりの理解です)ってのは上手なまとめかただと思う.ワタシの周りはすごーく不安定な気がします,ってことは?!?!

シンポジウムのなかで,集落営農にもっと畜産をいれてはどうか?という話が出ていた.結局,耕作放棄地に牛を放して,ということなんだろうけど,想定されるのは繁殖和牛でしょ?ってことは,その果実を何人で分けるんだ?ってことと,遊休してるのが狭小分散作圃だ,っていうこと,あとは繁殖経営が依存している子牛の高値の安定性がどれだけあるか,あたりが問題かな?ピロプラズマ等の対策をちゃんとやってくれれば,ノウハウもあるし,取り組みやすいところだと思いますけどね.

  ☆

結局,朝食以外は毎食ギョーザを食べましたです.

画像は,栃木(と千葉と茨城でしたっけ?)といえばこれよね,のMAXコーヒー.やっぱり買った.

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ばかばかしい仕事

昨日は出張して来年度から本格的にスタートする事業の会議.

コメ&畜産がらみ,ってことは飼料稲がらみです.

昨日も一時間くらいかけていった割には決まってないことが多すぎ.現地で実証をお願いする生産者の代表の方が来ていたのでご挨拶.っていうかそれ以外のことは私はほとんどやってない.

だって,収穫するコンバインに若干改造をするらしいんだけど,そのコンバインをどうする,っていう話がこの期に及んでできてないんだもん.なにそれ?!

やってもらうのはいわゆる新技術.詳細は省きますが,普及性はないだろうね,これ.

行政サイドも「コメで生産調整ができるとなれば,その経済効果は大きいことが期待される.アドバルーンとなるような成果を」みたいなことを締めに言ってましたが,要するに,生産調整の対象として飼料稲を認めるから,結果としてできる飼料米の「処理」は畜産サイドでよろしくね,ということであるらしい

しかも,ここでの畜産はの対象は牛(和牛と酪農).はあ?

行く途中に一緒だったのは,畜産を専門としていない方だったので,軽めに質問に応えたりしていったんだけど,ハードルが多すぎる,ということはわかってもらえたみたい.

生産調整に協力しよう,この事業でやった技術が広がっていけばいいですね,という前向きな気持ちで参加してくれるコメ農家に,この技術は普及するとは現状では思えません,ってはっきりいえないのが辛かったです.

どうも,試験研究サイドの生活費として外部資金をとにかく取って来い,ということと,新しい技術を普及させるんだ,ということと,コメをつくり続けるために(つくらせ続けるために)飼料稲を振興しましょう,というまったく別な次元のことを同時に走らせようとしているために,会議にいる人がみんな別な思惑を持ってる感じがした.しかし,こういうことは走り出すと止まらないんである.嗚呼.

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農政局発もったいないポスターと生産調整

東北農政局がつくった「コメのつくりすぎはもったいない」ポスターが撤去、だそうだ。

農家感情に配慮とかいろいろいってますが、そんなポスターつくって配布して貼らせるという、その金が「もったいない」だろ、と多くの関係者が突っ込んだに違いない。

  ☆

生産調整ってこのブログでもなんどか書いたけど、うまくいくって思ってるひといるんだろうか?

そもそも、役所が積極的に関与するっていうのって、食糧法上ちがうんじゃないの(谷津センセは問題ない、という認識であるようですね←梶井氏によるインタビュー)?っていう単純な疑問のレベルから私はなかなか抜け出せないんだけどさ。

昨日の日本農業新聞(?)で、デントコーン(フリント種でもいいんだろうけど)も認めようじゃない、ってことになってるようなのは酪農関係者としては寿ぐべきこと。でも、生産調整の交付金その他って、コメ農家に金を流す仕組み、即ち、コメ農家の財布が痛まないことを考えてるわけで、その水準では地代とのバランスが悪すぎて、コメをつくらない田圃を集積して、酪農家が畦をぶち抜いてヘクタール単位でどかんと使う、ということにはならないんだな。

飼料用トウモロコシを田圃で作るってのも、排水対策というハードルはあるけど、細断型ロールベーラによって作業性(ワンマンでもできる。雨が降ったりしても途中でやめられる)と輸送(ダンプにつめてサイロ、では離れた田圃で作るっていうことが現実的でなかった)は相当クリアできる、と考えてます。生研機構とは関係ないですよ私。

とにかく、政治はあてにならんけど、猫の目農政を逆手にとって、うまく立ち回るしかない。

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業界雑誌から

「Dairy Japan」の最新号(2月号)が届く。

このところ、飼料稲方面にコメの政治的影響もあって暴風が吹いており、酪農関係としてはうまく立ち回らないととんでもないことを押し付けられそうな気配。

そんななかでの「飼料イネと食品副産物の発酵TMRで高泌乳&コストダウン達成」は参考になった。

コストダウンってのはちょっとわからない部分ではありますが、イネWCSをTMRに入れるときの注意点が書いてある。やっぱりイネWCSのマイナスの特性は配合やルーサンで補う、ってことであるようなので、飼料稲で輸入飼料を減らすんだ、みたいな行政の方が描いてるロジックは単純すぎ、ということのいいデータです私にとっては。

だって、試験研究でも単純に飼料成分測って、実証農家に「うん、食うよ」といってもらったのを嗜好性がいい、っていうことにして、みたいなことやってるじゃないですか。

それで終わればそこで終わるんだけど、現在の問題はというと、生産調整の政治的暴風にあおられて、じゃあ耕畜連携で飼料稲の作付面積を倍に増やしましょう、みたいな議論がでてきちゃう、というところ。

誰がやるんだ、というところで、TMRセンターなりコントラクタが挟まらないときつい、というのは問題点としてはっきりしてきてる。あとは独法とメーカーでつくったフレール式の収穫機(940万円でしたっけ?)を事業でばんばん入れてもらうしかないかな?

  ☆

「農耕と園芸」をひさびさにぱらぱらっとめくったら(だってわかんないんだもん)、今月のラッキー野菜(っていうんじゃないけどとりあえず)のコーナーがなくなっていた。残念。

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耕作放棄地は戦略的意思決定の産物

タイトルにも書いたように,耕作放棄地というのは,耕作者が戦略的に意思決定をした結果であると考えている.

なーんて偉そうにしなくたって,耕作放棄されているところを見ればそんなの明らか.そりゃー平場が放棄されているなら問題で,どんどんつかいなさい,ってことになるけれど,斜面の桑園とか,湿地で畦がずぶずぶになっているようなところを無理やり田圃にしたところとか,そんなの耕作放棄されて当たり前.でしょ?

コメ農家がつくりすぎてる田圃の処理に困った結果,じゃあ飼料稲だ,ということがクロースアップされるようになってきた.畜産サイドとしてははっきりいって迷惑な話ではないの?

それってハイオク限定のクルマに灯油とか廃食油とかをどこまでまぜられるのか?っていう議論といっしょじゃねえか,そんなのナンセンスじゃねえか,って私は思うんですけど.タンパクがどうとかいってるけど,よもやイネをケルダール分解してタンパク含量を出す,なんてこといわないよねえ?ちゃんと牛の利用まで考えるんだよねえ??

飼料稲を作付けして耕作放棄地を解消するんだ,なんてアホな議論も出ている.山のなかの狭小分散地がだいたい遊休,耕作放棄されているのに,そこをどんな機械で,誰がやるんだ?ということがまったく考えられていない.飼料稲は(例えば直播をつかって.あ,私個人は直播って低コストになりづらいという印象ですけど)低コストで栽培するんだ.とかいっておきながら,非効率(ってことはお金が余分にかかるということだ)な圃場を使うんだ,ってもうむちゃくちゃなことをいっている.

どこでもそうだってわけじゃないけど,こういうデタラメなことが試験場の自己満足研究(だって普及なんてするわけないじゃないですか)としてやられようとしている.くだらん,っていうか腹立たしい.

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コメ生産調整と飼料稲,ハア?

コメの政治による混乱が続く.

生産調整の配分というのがある.配分っていっちゃいけないんだけど.

余ることがわかっているものをつくり続けさせ,ムダに公金を使う仕組みを温存するための仕組みが価格支持政策とその手段としての生産調整だ,と私は思う.

その生産調整をどの市町村にどれだけやってもらうか,ということを説明する,というか配分する,というのが年末に行われる.

とーぜん,文句がブーブー出るわけです.

要するに,生産調整をきちんとしてるところは,「なんでちゃんとやってるおれたちが」だし,お構いなしに過剰作付けしてるところは黙ってる.「中山間地はコメをつくるなということか」という質問には「はいそうです」と答える…ことは当然だけどない.

価格支持政策が破綻しているのにも関わらず,生産調整をやらせるんだ,いうこと聞かない自治体にはペナルティだ,ってそれが自由な国の経済なのか?そんなの納税者に説明できんのか??

「中山間地ではコメをつくるなということか?」っていう話だって,そのための条件不利地域の設定だし,そのためのデカップリングであったはず.新基本法の理念を無視して税金を突っ込み続けて価格支持政策を続けた挙句,コメなら金になる,という偏見を植え付けて中山間地の体力と競争力を落としてきたツケがまわっている.こんなにコメ偏重にしたのは一体誰よ?っていいたくなっちゃう.

とにかく,コメの作付は減らせない,でも買ってくれる人がいない.じゃあどうするか?家畜に食わせる,という飼料稲がどかーんと増えるみたい.あーこの手があったよかったよかった,って思ってるのは行政の人くらいで,耕畜連携なんてうまくいかねえのよ.

飼料稲がなんでうまくいかないか,というと,コメ農家と酪農の組み合わせで考えた場合,かたっぽはプロだけどかたっぽが素人だ,ということに尽きる.うまくいってます,という一握りのところは,耕種サイドに積極的に体を動かすプロがいる.

コメ農家のほとんどは第2種兼業農家,いわゆる小遣い稼ぎの副業農家.農業所得が0円までは続けます,という人たち.そんな人たちはWCS(ホールクロップサイレージ)用の収穫機なんて買わないし,つくったものを運ぶ気はない.そもそも副業なんだから,積極的に仕事を増やすことをするはずがない.で,同じ集落なんだから,粗飼料生産の機械を持ってる酪農家に収穫してくれ,もっていってくれ,堆肥を散布してくれただし全部はいらねえよ,っていう話になる.

対して,酪農家はほぼ全員それで飯を食ってるプロだ.コメと違って毎日酪農で汗をかいている.コメ農家のいうことなんて聞いてる暇はないわけだ.だいたい,酪農家が持ってるトラクタってのはコメ農家のものよりでかい.田圃で使うにはでかすぎなことが多いのだ.しかも飼料稲なんてエサの設計のなかでパシッとあうものではない(この辺は研究がサボってる,ように見える).とりあえず,給与できますよ,程度の実証はやってるけど,労働時間も含めて,それまでの自給飼料なり購入飼料に代替する,っていう経営上の話まで踏み込んでるデータがどれだけあんの??

食管農政に逆戻り,みたいな平成19年が終わる.どーせ来年はちょっと揺り戻しもあるんでしょう.我が県では県全体の品目横断(これも名前が変わるそうですが)の加入率は出すけど,市町村別は出さないそうだ.余程見られちゃ困るんだろうね.

現場は怒ってるかはっきり言って冷め切ってる.生産調整なんてお構いなし,なところはそのままつくり続けるだろうし,正直者は馬鹿を見続けるだろうし,行政の積極的な関与,っていったって,そんなことやってられないよっていう自治体だってざらにある.農政事務所も相当偉い人を連れてきて説明とか激励とかおどしとかすかしとかいろいろやるみたいだけど,農協・生産者も含めて,こんなのムリだよっていってるなかでの実効性は疑問っていうかないでしょはっきり言って.

ペナルティによるひきしめで生産調整が成功する,って思ってる人,そんなにいるのか?!霞ヶ関よ「政治主導」に負けるな!

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集落営農調査というんだけど

日本農業新聞が集落営農に関する調査結果を8日の1面に.でも中身が…,の話.

  ☆

集落営農そのものの数は10,000を超えてるけど,品目横断に加入しているところだけに限定しても3,500程度ある(いま農水のHPで調べた).

米価が下がっているなかで,要するに経営が苦しくなった,ということを言いたい調査だろう.鉢巻巻いて米価あげろ,というわけだ.

で,その調査が限りなくデタラメに近い.

だいたい,郵送での発送50件の回収37件だそうである.新聞の1面にも円グラフが書いてあって,「米価下落の影響は」に2.7%が「あまり影響ない」と答えているんだけど,これって37分の1のことである.この小数点以下の一桁に何の意味があるの?っていうか,一桁%だって意味があるかというと相当アヤシイ.

私も社会調査とその分析というのは仕事上経験してるのでわからなくはない.社会調査にこれで十分,ということはないと思ってます.

でも,これはあんまり,というか,この調査デザインなり,調査結果なりについては(分析の解釈は農協機関紙として結果ありきでやってるだろうから間違いないんでしょうけど),組織としてこれを出すことに異論は出なかったのだろうか.

調査票を見せて,っていってみようかな.

  ☆

最近,これだけではなくて,日本農業新聞の論調が市民感覚から離れていってる気がする.いくらなんても麦や大豆でやってるようなことをコメで,なんていうのは(私は“赤ゲタ”と呼んどります)税金を財源とする限り無茶でしょ,いくらなんでも.

とにかく,価格支持政策を支えるはずの生産調整が意味をなさなくなっている,というのは動かない事実.そのことで比較的大規模の,周りの副業農家がコメをつくって,転作を引き受けてるような人が損をしている(大泉センセによると,「専業農家の搾取で成り立っている」ということか?).

だから,罰則もつけて守らせるんだ,右肩下がりのコメ消費を拡大するんだ,じゃなくて,市場に任せて,どうしても生じる価格差については生産者にセフティネットを張る,ということに今きちんと舵を取るべきなんだと思う.国際的にも通用するルールはそっちなんだし.

所得政策の実施には生産者の選抜(もしくは競争力の向上のために必要なこと.副業でやってる農家の存在は必ずしも必要ではない)が伴うはず.あとは如何にバラマキを避けるか.とりあえずはバラマキでもいいから今は所得補償をとにかく農協と農家に飲ませて,あとで対象を絞っていくしかないんじゃなかろうか.

最悪のシナリオは(今自民党農林族が主張するような)食管農政を再現するような方向に逆戻りすること.そうでない真のデカップリングを実現するためには,バラマキを通過点としてでも米価価格維持はやめるべきじゃないのかな.

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やはり全農はしたたかだったのか

コメ価格暴落で農村激震.結局実を取ったのは農協だった?!

今年の農政最大のトピックは「7,000円ショック」だろう.夏に全農が仮渡金を7,000円と発表し,コメ生産者だけでなく,農村全体にこれはやばいぞ,の空気が広がった.プロも予想していなかった数字だと思う.つられて全農の新潟県本部も小売段階での精米5キロ1,980円なんてことを言い出して業界グラグラである.

先日,政府が備蓄米を買い支えることを発表.不作時のための備蓄をしましょう,という目的をゆがめ,自民党農林族に屈して,買い支えのための余剰米買い上げをきめた.めでたく価格は下げ止まっている兆候が見える.

結局,出来レースだったのではないか.

全農の7,000円という金額も,始めからこれを見越していた,というのは穿った見方なのだろうか.全農にしてみれば,先の参議院選挙で自民党が惨敗したとはいえ,自民党の集票組織としての実力は十分に示し,大きな貸しをつくっている.圧力をかけるならこのタイミング,と農村を混乱に陥れておいて,自民党(農林水産省を排除したかたちで,この備蓄米買い上げは検討されたようである)から公金をむしりとったのではなかったか.その額800億円という.イヒヒ,である.

コメのあり方に関して世論が高まり,すでに崩壊したとみられる生産調整による価格支持政策が転換をするかと思ったが,結局食管農政に逆戻りである.これでまた日本の農業は構造改革の機会を失い,先送りをすることとなった.本当に損をしたのは国民,とりわけ農村であったのだと思う.

ある農業経済学者が「自民党農林族は恥を知れ」と書いておられた.同感である.

備蓄米とはいえ,行わないはずだった買い上げで積み増しをしたわけで,その備蓄米が大量に余る.飼料用(エサ)などに回るそうだが,随分と高いコメを家畜に食わせるようだ.下手をすれば人間よりも高いコメを家畜が食べているのではないかとさえ思う.

モノが余れば価格が下がる,という常識の通じないコメ業界のことである.備蓄を言い訳に余剰米を買い上げるんだから,作況指数(豊作か不作かを100を基準に数値化する)だって操作されるだろう.今年の作況指数は何があっても100に届かないはずである(100を超えたら豊作の時こそ備蓄するのだ,というまでだ).産地ごとに発表される作況指数と政府が買い上げるとされる産地(価格が暴落しているところ)を見ているとそう感じる.備蓄はもういっぱいである.来年豊作だったらどうするつもりなのか.これまで,豊作不作についてはなぜか神風が吹いてきた.またそれに期待するというならば愚かなことだと思う.

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「日本の,これから」を見て考えた

相変わらず微妙な選択肢の設問で議論を複雑にしている気がするNHK「日本の,これから」.
今回はコメなんだそうです.コドモをお風呂に入れたりしつつ,ちらちらと斜め視聴.みんな自分の立場でわーわーいってるだけ,っていう印象.

コメの話をしてたはずなのに,いつの間にか農産物一般の話とか食生活の話,農業者保護の話にいっちゃうもんだから,盛り上がるのは盛り上がるんだけど議論が収束していかないですね.

間違いもあるだろうし,私見ではありますが,感想など.

  ☆

生産者も消費者も(生産者だって消費者だとは思うけど敢えて分けるぞ),よーく知るべきなのは,1967年以後(この後3年間続いた奇跡の大豊作で日本はコメの自給を達成した),主に生産調整による高米価維持で生産者を保護してきたことと,そして,それが破綻しつつある(もしくはずいぶん前に破綻していた)こと,さらに,農産物の中でコメだけが特別扱いされている,ということ.

件の番組でもコメしか作るものがない,っていってる方もいらっしゃいましたが,それだってコメは高く買ってあげますよ,という従来の政策にのっかったうえでの話.しゃーない.この国は何十年もそうしてきたんだもん.

あのような番組に出てくる人はまじめな方々で,まじめに日々営農をやっておられるんだろうと思う.なにをもってまじめというのかはおいといて,地方公務員をやりながらコメを作って,販売して,収入を得ている人なんていっぱいいる.
そういう人たちにおんぶしないと,農地を使い続ける,っていうことができないのが現状.でも,そういう人たちの農地がばらばらにいっぱいある限り,日本の農業の大規模化はかなわない.大規模化で競争力がつくのかどうかは別として.

なんで農家が副業として続けられるような制度をつづけるのか?

乱暴なことをいうと,自民党の集票マシーンとして農協が存在していて,小さい農家(副業も含む)にいなくってもらっちゃ自民党が困るから,なんじゃないですか?!
先日の参院選挙も,自民党が惨敗とはいえ,比例代表で自民党の2番目で当選した人は,農協出身で,(恐らく全国の全ての)農協にポスターが貼られていた方.あー農協はそれでも自民党にくっついていくんだね,という感想を持ちました.

っていうような話はおいといても,副業でコメ作ってる農家をどうするか,っていう話にはなかなかならない.大規模化を進めるんだ,という掛け声と同時に,ばら撒きといわれる,可能な限り多くの(っていうことは副業も含めて)コメ生産者に補助金突っ込みましょう,ということばかりが叫ばれる.それじゃ,田圃がまとまって,規模の効率化が進むわけもなく,小さい副業農家はそこそこの所得でものうのうとコメを作り続けていく.結果的に,正直者が馬鹿を見る,というか,コメ(プラス麦や大豆.何でかっていうとコメはもう余ってるから)を作って生きていこうという大規模経営が痛い目にあっている.当然,大規模化でつける目論見の競争力はがたがたと落ちて,税金が先送りのためにじゃぶじゃぶと注がれる.

そういった構造改革にアクセルとブレーキを同時に踏む,ということが行われている.
アクセルとブレーキ踏んだら,スコッとシフトダウンをしなきゃいけないはずなんだけど,あれれ,同じギアのまんまじゃない?というのが現状かな.

そんなときに出てくるのが,「主食をつくるのは当たり前」とか,「コメ作りは文化だ」といった論調.主食になれない主食(つまりは作りすぎて余ってるコメ,今年も大量にコメが余ることは間違いない)が非効率な形で(かつ,国際的なルールから見てやや適正でない形で,っていうことはそのツケは農業以外の産業が背負うことになる)作り続けられていることが問題なのに.
コメは文化だから余るコメを補助金で買い支えます?それって国民的なコンセンサスが得られる??

「すでに生産調整は決定的に破綻した.低米価誘導+対象を選抜した所得補償に方針転換すべし」というのが私のささやかな主張です.

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食の安全・安心というけれど

食について,先週のNスペに続いて,NHKが今週も食(コメ)がらみ.いま食についての関心が高いのか?

  ☆

職場で「地産地消」についてがんばるぞ,という方向を示すべくつくった目標だかなんだかの資料のチェックが回ってきた.目標値を現在の10%上乗せ,みたいな根拠のない数字を持ってくる,という悪い意味でありがちなやつ.

そのなかで,「安全・安心」について進めていきましょう,というようなことが書いてあって,われわれの職場の誰かがそれは分けて考えるべきだ,というコメントをつけていたんだけど,これも難しいのだ.

わたしも,受けがいいので,特に影響がないと思ったら,中点つきで「安全・安心」って書いちゃうんだけど.不十分な定義だとは思うけど,科学的な根拠で担保されているのが「安全」で,情緒的なのが「安心」かな,みたいな分類をしているようです.

ってことは,「安心」するかどうかはその人の情緒なので,安心な農産物を作りましょう,ってのは目標としてムリ.例えば,某国産がどーしても信用できないっていう人はいる.生産履歴が付いてて,生産者も明らかで,日本国のお墨付きがあって,これは輸入してもいいですよ,と決まったものでも,某国産であるだけで,「信用できない」っていわれちゃうと,安心ではない,ってことになっちゃうんだもんね.それって,輸入農産物に対して安全を確保するために積み重ねた努力が全部パーでしょ?

別な話として,このところ流行ってる直売所の売りの1つは,生産者と消費者の距離の近さ.いわゆる顔の見える関係,というやつだ.顔が見えるから安心だ,っていう話も見聞きするし,「顔の見える関係で安全・安心な農産物を」みたいなことを行政もいってたりする.

このことが,顔の見える関係ならなんでもいい,という状況を生んでいる気がする.科学的に安全性を確保する努力なしで,てきとーにパックして,値段だけつけて売る,とか,この時期だとよくわからんキノコとかその手のやつなんて悪乗りしてないだろうか.売ってる人が責任とれんの?っていう意味で.キノコなんて事故も報道されてるし.

一方で,科学的に「安全」を確保しなきゃ,といっておきながら,もう一方で,顔の見える関係による「安心」におんぶしている.これ,どうなの??

地産地消なら安全・安心,みたいなのはその極端な例.で,それなら売れるでしょ,ってのはあまりに安直,でも本気で言ってる人はいる.それを推進しましょう,みたいなことにさえなったりする.

そもそも,「消費者」てのを一緒くたにするからわかんなくなるのだ.地産地消に飛びつく人のなかで,そこに実際にお金を払える人がどれだけいるのか,そこをちゃんと把握しない限り,「地産地消で安全・安心」なんて絵に描いた餅でしかない.

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コメ関係のお仕事,沖縄+MIYA

このところ,食(のなかでもコメ)についてテレビで取り上げられる機会が多い.この間のNスペも興味深いものでした.

やっぱり7,000円ショック,ってのはそれなりに大変なようで,こんなワタシのところにも飛び火してます.昨日までがーっとやったのは,地元の銘柄米の評価をコメ価格センターの数字を使って定量化する,というもの.

結果として感じたのは,やはりロットがまとまらないと産地としての力はないんだね,ということか.きらら397と秋田あきたこまちの躍進の理由はそこ.小売レベルで残された2つか3つの椅子を奪いあうことになるんだろうけど,わが産地はどうする??

っていうようなことを偉い人の会議で使ってもらうためのデータ整理だったんだけど,どうなったんだろうねー.がんばって揃えた資料って意外とスルーされるんだよねー.変に紛糾されても困るけどさ.

  ☆

教科書検定問題ですが,なんだか政治が介入しちゃいかんといいながらもろに介入してない?

これが真実だというのを先に決めちゃって「真実を教えてください」みたいなのってどうなんだろうなと思うんだけど,あーよくわかんないです.

ただ,「戦時」は「平時」とは決定的に違っていて,そこでは悲しいことがたくさん起きたんだ,っていうことだけは間違いないと考えています.

この間,地元FMで「星のラブレター」が流れて,おお!と思わず叫んでしまったんだけど(世代だなこれは),いつだったか,宮沢和史氏が「やまとの人間として沖縄のことを考えると,『島歌』の「ウージの森で」の詞に沖縄音階は使えなかった」というようなものを見たことがある.

曲として変化をつけるためにそうしてるんだろうと思っていたので,それ見たときはガーン,でした.あーこの曲にこめられたものをぜんぜん理解してなかった,みたいな感じ.

沖縄戦を考えるとき,私はこのエピソードをすごーく大事にしています.

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育休とおシゴトがらみのブログ

ただいま(短時間の)育児休暇を取得しております.

所定の様式でとるんだけど,これ,

女性は取得届で,男性は取得願になってる.

つまり,女性は無条件で,男性はとれないかもよ,ってこと?

男性だけ取得する理由を書かなきゃいけないってなにそれ?!

てきとーに「育児を代わる人がいない」みたいなことを書いてだしたんですけど,通りました.

  ☆

シゴトが進まねえ今日この頃ですが(いつもいってるけど),そんなときは上手に気分転換ですね,っていうわけで,専門分野のブログなんかをたまに見る.いくつかご紹介.無許可なのでリンクは貼りませんので興味があるかたは検索してくだされ.

「畜大で農業経済学を学ぶこと」:帯広畜産大学の農経ブログ.知ってる人の顔が時々出てきてウレシイ.まだ現場レベルからはちょっと遠い感のある畜産衛生経済分野.がんばってほしい.

「筑波大学・環境政策学研究室」:Y先生の更新履歴(という名の日記)が面白い.ワタシはカブ・クワに興味がないので3割くらいはわかんないんだけど.

「食農ステイション」:農工大のN先生のブログ.いい感じで力抜けてます.

「Pu&Fuの研究室だより」:愛媛大学の農業経営学ブログ.書き手の幅が伺える濃いブログです.

さーシゴトしなきゃね.

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松山で学会発表してきたネタがやっと所内回覧から返ってきて昨日郵送.事務のおねーさんの机に埋もれてたらしい.

よろしくお願いします,パンパン(拍手).

  ☆

そーいや,SEMEXのウェブサイトにあった壁紙がつまらんものに変わっていた.

前のやつ好きだったのに.がっかり.

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グルイン,モミガラ&遊休農地

今週で9月も終わり.忙しいっす,の話.

暑さ寒さも,というわけで,何を着ていこうか微妙な季節.一応,職場としてはノー上着,ノーネクタイなんですが.

シゴトのほうもなんだかやること多すぎでいっぱいいっぱい.その多くが自分の仕事ではない,ってのが痛いなあ.

  ☆

農産物ってつくれば売れる,という発想で物事が進んでいく(いっていた).で,それじゃあいかんということから,消費者のニーズを踏まえて,見たいなことが盛んに言われている.

でも,そんなノウハウがあるわけないんです.どーしましょ,というわけで,以前その辺の仕事をちょびっとやった関係からちょっとまとめてみてよ,ということになった.

そのときはグループインタビューをやった後に郵送調査,という理想的といえば理想的なかたちだったので,グループインタビューならできるんじゃないか,という流れ.

グループインタビューですか,うーん,なんだねえ,はっきりいって.

グルイン,っていうか,その成立のキーであるところのグループダイナミクス自体,日本人では難しいんじゃないか,なんて明確に否定する人もいる.ここはアメリカじゃない,っていう議論ですね.

私はといえば,「(経験から言って)それなりの利用性はある」というのがスタンスなんですが.でも「それなり」なんだよねー,グルインで何もかもわかるとは思わないし.

偉い人が何を考えてるかは明確.

「これは大変にいい品種である.なぜからば,われわれの作ったオリジナル品種だからだ.したがって,この品種をがんがん推進するべきだ(例)」というようなおかしな議論の科学的裏づけ,というか,消費者ニーズ,という「受け」がいい理由がほしいだけ.

そのために都合のいい技術として,グループインタビューは有効である,っていうことになりそうなんである.やばいっしょ?

消費者に集まってもらうんだから,そこにマスコミでもよんでPRに使えばいいんだ,くらいの認識の偉い人もいるくらいだし.嗚呼.

  ☆

抱えている仕事のひとつはというと,以前も書いたモミガラ問題.いよいよ動き出せるか?

これはなんとしても実現したいんだなー.

なんたってユーザーがいる,ということが明らかなんだもん.

私どもがやってる仕事って,でかい花火のほうが喜ばれる,ということろがある.

「遊休農地がたくさんあるので,そこで菜種やひまわり,といった油糧作物を栽培して,バイオ燃料をつくる(例)」みたいなやつとか.

誰がやるんだそんなの.農業の担い手の多くは,夢や行政のためにやってるんじゃなくて,それで生活がしたいのに.それが主たる収入かどうかは別だけど.

何度でも書きたいと思うけど,「遊休農地の合計面積」が多いことは問題にすべきではない.

平場が有給してるんだったらそれは大問題.何とかしなきゃいかんでしょ.

でもこの辺では,むかーし,養蚕が華やかだった頃,そこいらじゅうを桑畑にした.桑畑って他の用途では使えないようなところでもできたもんだから,結果的に農地が桑畑として増えた.そして養蚕がほぼ消えた.桑畑にしかならないような土地(例えば傾斜度で)が遊休農地として残った.

桑畑にしか(あとは繁殖和牛の放牧地くらいだ)ならない土地が遊休しているからといって,遊休農地でバイオ燃料だあ?はあ??

使うことが非効率な農地を使うことで赤字が増えていく,だからそこは補助金で埋めましょう,っていうことがどこまで成り立つのか,誰がその金を出すのか.

ほーら,それに比べりゃ現場が具体的に悲鳴を上げてるモミガラのほうが,やりがいとしてぜんぜん違うよね.

  ☆

自民党総裁に福田氏.それはいいんだけど,随分と政治的な空白ができてるのにもっとメディアはそれをいうべきじゃないの?

組閣までは新聞がそっち向くから,自動車のリコールとか都合の悪いニュースはいま出し放題ですねえ.

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温暖化のせい?

いつも土日は休みなんだけどイベントのため出勤.

日ごろの行いが余程いい人がいたのか,台風が通り過ぎたあとの土日だけ,カーッと晴れまして,暑かったあ.

私は建物の中が持ち場だったんだけど,外の駐車場整理の担当の人は日焼けで真っ赤です.

で,今日はまた雨に逆戻り.県内の台風による農作物の被害状況をまとめたものを今日見たんだけど,ソバが大きな損害を被ったようだ.9月上旬にこの辺を台風が通る,ってのはちょっと珍しいんです.

台風だけじゃなくて,お天気全般がそうなんだけど,自分で大事にしてるのは「なんでも温暖化のせいにしないこと」.お天気勝負のシゴトをしてると,温暖化のせいにした瞬間に思考停止に陥っちゃう気がする.

例えば,なんでこの時期ここに台風が通るのか,っていうのは,気圧なり海水温なりで説明されるべきなんだと思う.ここで温暖化が原因です,なんていっちゃったら,モッタイナイの気持ちを大事に,とか,じゃあレジ袋を,みたいなお定まりの話になっちゃて何でそうなるか?っていうことを探る気持ちがどっかいっちゃう.モッタイナイがダメだというわけじゃないけどね.それは個人の生き方問題.

それよりも明日の飯を食うための農業(家庭菜園の延長みたいな趣味の農業じゃなくて)に関わるものとして,やはり天気の変化にはロジカルな説明をつけたい,っていうのが私の希望.

これまで,「異常気象」「天候不順」という言葉で表現されてたものが,「温暖化のせいですね」っていうことに最近なってませんか?

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大臣チェンジ

農林水産大臣が辞任.農業関係者として気になる.

内閣改造でも注目されたポストだっただろうに,またか,という感じ.遠藤前大臣って私は不勉強で存じ上げなかったんだよそういえば.勉強する前にいなくなっちゃった.

一番の問題は会計検査院に2004年に指摘された不正を放っておいたことじゃないの?ってことは県庁とかは何してたの?ってことにならないか.

(カイケン,ってコワイのよ.資料を整理して残しておくのってカイケン対策が最大の目的になってる気がする)

いわゆるギインサマに手はつけられなかった,ってことか?

ただねー,(今回問題なのは共済だったけど)農協の組合員水増しってのは,普通にある(?!).

組合員たる農家がいろんな理由で農業をやめる,とする.そこで組合員でなくなるか,っていうとそんなことはないわけで.准組合員の割合の増加とか,事業が多様化していくことで農業と無関係に農協と関わる領域が増えてる,とか,農業構造の変化に農協は着いていってるか,っていう問題は指摘されて久しいんだけど.

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夏が終わっちゃうのとこのごろの話

今日で8月も終わっちゃう.私の住むところではだいぶ涼しくなりました.夜なんて寒いもんね.

9月はというと,職場の一般公開があって(準備でへろへろです),あとは,連休が2回あるけどそのうち1回は学会.これは聞きに行くだけ(旅費自腹).

とかいってるうちに上半期も終わっちゃうんである.ううう.

  ☆

「エコの壁」の記事について以前書いたことがあるんだけど,その後も強力な記事が次々に出てくるのがNIKKEI NETの日経エコロミー.職場でバイオ燃料をやってるところもあるので,安井至さんや舘内端さんのコラムを読む.

そういえば,この間,農業機械関係の集まりのお手伝いをしたんだけど,そこでのお題がバイオ燃料.で,シンポジウムに社会科学の分野から農業経済の研究者が来てたんです.質疑でもそのセンセイに質問が多かったんだけど,技術屋さんの自己満足からだんだんと世の中にフィットさせることを考えるレベルにきてるのはいいことだと思う.

  ☆

毎朝ご飯の準備をするときはNHKがついている.6時半に「おはよう日本」のアナウンサーが交代するんだけど,いまの首藤&松尾のトークが非常にいいです.いつも期待してみております.こういうことやってもらえると,この人たちが伝えるニュースだったら「気持ちよく」聞けるなーと思う,ってのは褒めすぎか?

アナウンサーがちょっとだけおしゃべりをする,っていうことって,ふざけるな,みたいな批判も多いんじゃないかと推測するんだけど,ぜひ続けてほしい.私は応援しています.NHKにメールまで出しちゃったもん.

  ☆

関口なんとかさん(関口宏のご子息)が鉄道長旅を引退.誰も止めないんじゃないかと思うんだけど….

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モミガラがちっちゃくなったらいいよね

うちの方では籾摺りのことをスルス,と呼ぶ.
スルスってなんだろう,と思っていたら,「すりうす」が訛ったものなんですね.
磨臼って書きます.20年以上抱えていた謎が解けた.

なんでトートツに籾摺りの話か,といえば,籾摺りによって出てくる「籾殻」のこと.
畜産ではこれが敷料になる.牛のベッドに敷くわけだ.

さて,このモミガラ(敷料として使うときって漢字じゃなくカタカナで書く気がする)は十分にあるんでしょうか?

答えはイエスでありノー.ケースバイケース,というやつ.
私どもの県はあっちとこっちで農業の姿が結構違う.
水田地帯もあれば(もちろん,コメ麦大豆じゃもうからねえっていってる人も多いです),果樹地帯もあり,という感じ.

畜産で敷料が足りない,というところがあって,水田地帯でモミガラが余ってるところもあるんだったら,そのミスマッチを何とかしましょう,ということができないか.

モミガラを集めるのに必要なのは手間と時間.
小規模なライスセンターとか個人が籾摺りをやるところに畜産農家がトラックをもっていってそこにモミガラを吹き込んでもらい,たまったらもって帰る,みたいな感じでやってるのが多いかな.
なんで,遠いところに行くのはやだし,取りに行くのも籾摺りにあわせなきゃいけない.
とすれば,出てくるモミガラを圧縮梱包できれば,長距離の運搬や保存の可能性が出てくるんじゃない?

というわけで,その圧縮梱包をする機械ってないのかなー,というのが,今立ち上げようとしているテーマ.

畜産サイドの状況をいろいろ聞いてみると,イナワラも手にはいりにくくなってるし,これはイケルな,という感じがありあり.
一方,モミガラの廃棄って,(公表データでさえ)面積換算で7~9%くらいの量がある.
技術のニーズはあると見た.

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「エコの壁」を読む

NIKKEI NETで養老孟司さんのインタビュー記事が読める。面白いです。

そもそも、最近のバイオ燃料ブームはなんだかアヤシイ。
もちろん、酪農業界にとってトウモロコシ(に加えて他の穀類)の値段が暴騰していることが経営をダイレクトに圧迫する、とうこともあって、情緒的に受け入れがたいところはあるんだけれど。

始めに褒めておこう。化石燃料が有限で、しかもその限界がすぐそこにある現在、石油じゃない燃料で内燃機関を動かそうというのは理念としてすばらしい。立派。
ただ、4月くらいに試験的にやってたやつだけど、海外(フランスでしたっけ?)から石油を焚いてバイオ燃料を運んできて、それを日本でガソリンと同じ価格で提供する(ってことはその差は誰かさんのおカネで埋められている)、ってマトモだと思わないんですけど。

日本国内で遊休農地が非常にたくさんある。そこでエタノールの原料となる作物をそだてて、バイオエタノールを作りましょうってのは理念として美しい。立派。
ただ、こんなにも遊休農地が増えてしまった原因はコメ政策の失敗によるもので、それを忘れた振りしてそこに燃料の元となる作物ときましたか。
もうすでに補助金じゃんじゃんいれて余るのがわかってる農業生産してるのに、これまた補助金じゃぶじゃぶ使って油糧作物ってことだろうけど、財源どこにあんの?誰がやんの?ひょっとして集落営農なんてこれまた美しい理念もちださないよね??

「エコの壁」、農業分野に身をおいてるからか、なるほどと思います。
興味のある方はご一読を。

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ハウス<露地?!

今日はスーパーの店舗の前を間借りしてお客様にアンケート。

今日はかなり好意的に答えていただいて大成功だったけど、やっぱりお客様にはいろいろな人がいるもの。

ちょっと考えさせられてしまうのが、

「おまえらいろいろいってるけど、これはハウスだろ。昔の露地物は美味しかったんだ。だいたい本来出回らない時期に出して儲けようというのが気にくわねえ」

というようなご意見。

露地はハウスより美味しいって非常に良く聞くけど、それってほんとかね?

昔は良かった的なノスタルジーなんじゃないのお?って思います。品種だって違うし、食べる温度だって違うんだから比べられないはず。

ちゃんと比べてから言って欲しい。

単に「ハウスは人工的、だから美味しくない」っていうイメージじゃないのかな。これって、「暴力は悪いことです」とか、「関西人は笑いにうるさい」とか、「“どんなに遠く”に続くのはだいたいにおいて“離れていても”」だとか、そういうレベルじゃないんでしょうか。

その一方で、「昔のイチゴなんて酸っぱくておいしくなかったよ」なんていうばーちゃんなんかもいるわけです。

そもそも、いまハウス栽培が多勢の品目で露地栽培なんてしたら、誰もつくんないし流通にも乗らないから、そういってるご本尊の口に入んないよね。

今日結構カチンと来た出来事なので、ロバの耳的話題として書きました。あーすっきりした。

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農学はロマンティックか?

「農学のロマンティシズムに冷や水を浴びせるのも農業経済学のレゾンデートルのひとつかもしれない」

「農学がわかる」という本のなかで生源寺眞一氏が書いていた文章です(細部は違うかも知れないけど)。これを胸に、というか、拠り所としてこれまでやってきた気がします。

やっぱり、農学系の研究ってどれだけ採れたか、が未だ第一義。個別の技術はある、って技術系の人はいいます。例えば、この病気にはこういう方法がある、とか、この時期に出荷をずらすことができる、とか。でも、その個別の技術を、実規模の経営にのっけてどうか、というところまで考えてる人って少ない。
もっといえば、産地戦略をどうする、というような議論の延長で技術論を捉えてない、っていうか。採れればいいんじゃなくて、売れるときに売れるところに売れるものを売れるだけ、といった商売として普通の考え方をせず、余るのがわかってたとしてもつくるってのが農業の特徴なのかな。

ワンオフの、試験区規模でやった技術をとりあえず実証して、その結果の言葉だけが技術の評価として一人歩きしちゃう、ってのはよくあること。
具体的には、数頭の子つきの繁殖和牛を遊休農地に放牧してみたら、「その経営と飼養規模で」舎飼よりも低コストでした、という結果から、「放牧=低コスト」という結論を導いてしまい、酪農で育成牛を放牧するのは低コストにつながる、みたいな議論。
これって乱暴だと思うけどホントの話です。
地元県内に多い経営のあり方を見たって、和牛繁殖と酪農を比べたら飼養頭数だって全然違うし、頭数から導かれる必要な面積だって当然違う。
それを遊休農地対策、という施策にフィットするという名目で、放牧はスバラシイ、になっちゃう。

遊休農地がなぜ遊休したか、って単純にいえば、使えない農地だったから。その多くは狭小で分散した錯圃なわけです。
ってことは、放牧可能な頭数のキャパシティにももろに影響するはず。にもかかわらず、片手で足りるかちょっとはみ出る程度の頭数規模が多い和牛繁殖経営と、搾乳で30頭くらいの酪農経営を同列に扱ってしまい、酪農で育成牛を遊休農地に放牧しましょう、ってもう論理が破綻してる気がするんだけど。
現場の感覚からすれば、搾乳30頭ってことは育成舎で飼う育成牛は10頭くらいだとして、それに加えて近くの狭い遊休農地に育成牛を2,3頭放牧するバカはいねえし(そんなの金銭的にも技術的にも時間的にもあまりにムダ)、その頭数だったら12,3頭無理して飼うか、10頭から増やさないよねフツー。
でも、「放牧は低コストであるし、遊休農地の利用にも寄与する」ってそれなりの立場にある人がいっちゃうんだもんねえ。困ったもんです。

その場に居合わせた私としては、「実際に現場でやってる規模を想定してくれ」っていい続けたんだけど、予算や施設の制約もあって(その事情もよくわかる)、現場とはかけ離れた規模で結果だけ求められちゃう、ということがたくさんあるようです。
「やる前からカネの話はするな」なんて釘も刺されちゃったりして。

それでも現場で求められてることはこうじゃないの?という視点でこれからも冷や水を撒き散らしていこうと思います。

やっぱり農学はロマンティック、なんだろーなー。

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畜産の研究と経営と飼料イネ

おシゴトでの飼料イネ関連の打合せで思ったこと。

  ☆

試験場発の成果を実証しましょうということで、農家の田圃で飼料イネの現地実証を行っている(ちょっと前に書いた)。
農家の方からの提案で、大麦のように圧片してはどうかといわれてやってみたところ、和牛の給与試験をやる試験場の畜産サイドの偉い人がいたく御気に召しちゃった。

飼料用のモミの圧片給与は、鹿児島や長野で20年位前にやっている内容で、技術的に給与は可能であるという結論は出ている。

じゃあなんでいままでやられてないのか、といえば、単にお金がかかるからなんですね。
鹿児島の成果でも、わざわざ『経済的な面を考慮しなければ』という但し書き付きでまとめているくらい。
※鹿児島でこの成績を書いた人は畜産の技術系職員だと思うけど偉いと思う。経営的につりあわない、なんて普通は隠したいことを書くっていうのは、やる人(農家)のことを本当に考えてないとできないよ。

今回の打合せでも私は農経として参加したので、「採算がとれないんだから普及するはずがない技術だ」とはっきりいったんだけど、畜産サイドの偉い人はもう気に入っちゃってるもんだからやりたくてしょうがないらしく、「やる前からそんなこというな」みたいな状況。
圧片することと20キロの袋詰めは「イノベーション」なんだって(ハズカシー)。

昭和の技術を引っ張り出して製品は袋詰めするのが当たり前の業者に依頼する、という既存の技術を既存の施設でやることがどこでどうなって技術革新なのかは私にはわかんないですけど、結局、畜産サイドのゴリ押し(?)でやることになった。

この研究って、もともと、赤身の牛肉を健康的な、循環型の生産体系でつくって消費者に経済的評価をしてもらう、という内容だったのだ。
自給飼料増産、耕畜連携、循環型農業、持続可能な生産、消費者ニーズ、健康志向、といった行政ニーズてんこ盛りの内容だった(おかげさまで第3者も入った事前評価は非常によかった)のに、いつの間にか、エサは外から買ってくるものという和牛肥育の常識にとらわれたただの和牛の給与試験(しかも同程度のことは20年前にやられている)になってしまった。
計画段階でも(頼まれてもいないのに)関わっていただけに非常に残念です。

試験研究をする側が現場や川下のニーズを忘れるとろくなことがない。

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飼料イネってどうなの?

牛がコメを食べることを考える話。

田圃に他の作物を植えるとお金がもらえる、という政策が進行している。この、食べるためのコメ(つくっても余るので国は政策としてコメをつくる量を減らしたい)以外のものをつくらせる仕組みの1つがコメを家畜に食わせる「飼料イネ」である。

飼料イネでお金をもらうためには、食用米ではありませんよ、ということを明確にする必要がある(でないと、飼料イネの金をもらった上に食用米として高く売るという悪いことを考える人が出てくる)。そこで行われるのが早く(まだ青いうちに)刈ってしまうという方法。こうすれば、食用米と作業時期もずらせるしね。

  ☆

というわけで、台風の影響でちょっと遅れたけど、おシゴト関係でその飼料イネの刈り取りの手伝いに行った。飼料イネというのもいろいろで、ワラに近い水分のものからサイレージのもの、モミを使うものなどがある。このあいだは、モミだけをサイレージに調製する、というもののはずだったのに、モミをサイレージにせず、飼料工場にお願いして圧片にする、ということに話が変わっていた。

これ、80年代に某県の畜産試験場で肥育牛に給与したりもしてるんです。その成果をみると、「経済的なことを考えなければ」という前提で、圧片大麦の代わりになりますという結果だったと思うけど、私の関わったケースでソロバンをはじくと、この圧片モミ、圧片大麦の10倍くらいの値段になりかねない。

作業をしていただいてる人は自画自賛で、「いいアイディアだ。いい技術だ。これが流通したらいい」といってたけど、値段が10倍で、安定的に供給される保障はどこにもなく、通年給与できるだけの量も生産されず、質的にもばらばらなエサ、誰が使うの?!

しかも飼料工場に持ち込む原料を生産するとなれば、お金がもらえるかどうかわかんないし、飼料安全法とかのハードルも高そう。結果として、こんなことやって何になるんだ、というストレスばかりがたまる仕事でした。

  ☆

牛を全うに飼うことができて、クリーンな生乳を安定的に生産できるのなら輸入購入飼料で何が悪いの?って思う。

「食料自給率の向上」がいつのまにか飼料自給率に置き換わって(このあたり畜産サイドはもうちょっとたたかうべきだったのではないか)、輸入飼料が悪者になって自給飼料万歳になってるけど、日本の水田のコメをすべて牛に食わせたとしても100%代替するのは無理だよね、おそらく。

横を見やれば、70年代くらいに造成して放置されてる草地がわが県にはたくさんある。飼料イネよりほかにやることはあると思うんですけど。

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削蹄は年2回です!

とある酪農関係セミナーに参加。

蹄病の話を中心にアメリカからB氏を招いての講演。
へえー、って思ったのは、未経産牛に分娩前に削蹄を施す、というもの。
それだけで1回目の乳期で1134キロ違う、といっておられました。

確かに蹄病ってカウコンフォートと直結する話だし、大切だというのはよくわかる。
でも、じゃあ年2回マメにきちんとできるか、跛行をみつけたときにささっと削蹄ができるか、っていうと難しいかな。
自分自身に技術がないので、削蹄師呼ばなきゃいけないしね。

  ☆

講演終了後、B氏による削蹄用の保定枠をデモ(牛はいなかった)。
すごーくいいと思うけど買うと高そうである。買わないけど。

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霜降り、好きですか?

霜降り和牛好きな人ごめんなさい!

  ☆

昨夜、NHKで和牛がらみの話を放送してた(「プライスの謎」ね)ので,

なんとなくみておりました。なんと生源寺センセイがタレントの皆さんとお話などしていらっしゃる。

で、肉食ったタレントのコメントは予想通り。

「やわらかい」「唇で切れる」「外人も食べさせるとおいしいという」

つまり、自分が食べた感想としておいしいとはいわないのである。おいしい、じゃなくて、やわらかい、がほめ言葉なのだ。

デーブ大久保は「これだけ焼いても脂がジュクジュク出てくるんですね」といっていた。

はっきり言え!脂が多くて食えない、まずいと!!!

畜産の世界にいると、和牛万歳というスタンスで、結果ありきで無理矢理に理由作ってねえかそれ、みたいな和牛のおいしさを説明する資料を見ることが多い。

件のNHK番組でも脂肪酸の質に言及している人がいたけれど、おいしさの研究をしてたりすると、和牛を焼いた香りは他の牛とは違う、とかね。それはそのとおりなんですけど。

でもねえ、そんな微細な差がわかる人って消費者の何割?

私もシゴトで官能検査に関わったりしてるけど、日本人は霜降りが好きなんだ、和牛はおいしいんだって、味がわかる(たとえば5味が判別できる)人って全体の何%かわかって言ってる?

すき焼きって(関東風の)、割下で「炊く」料理でしょ、そんなことして肉の味や風味ってわかりにくくなっちゃうんじゃない?(海原雄山先生も肉の味を知らない人間の料理、と切って捨てていたような記憶がある)

焼肉ぅ?網で焼いたら燃えてなくなるでしょ?

しゃぶしゃぶぅ??せっかくの脂捨てちゃうの??

  ☆

さて、和牛を貶したいわけではないんです。

とある県で行われた和牛技術者の講習会で、全○×牛登録協会(略して「全×」)の京都本部から来た講師が、「5等級は脂が多くて食べられません。3等級くらいがおいしいです」といっていたそうである。それって黒毛和種だと出来損ないがおいしいってこと?!

もちろん、貶している文脈じゃなくて、黒毛和種の改良はそこまで進んでるんだ、という話でだそうですけど。

黒毛和種のプロ中のプロも、自分が食べておいしい肉質と、生産者につくらせる肉質は違う、というわけ。

黒毛和種の肉って、一般的な消費者はほとんど食べてないし、高くて、まずくて、体に悪いとさえいえる。でも、ほんの一握りの人にだけわかる、とーってもおいしい、まさに芸術的な食材であり、また生産者には富をもたらすんだから黒毛和種は偉大。なにしろ高いんだもんね。

日本人の多くに「霜降り」=「おいしい高級品」って認知されてるんだし。

ほんの一握りの高く買ってくれる人のために、地産地消とか、健康志向とか、食の安全とか、動物愛護とか(黒毛和種の肥育ってちょっと消費者には見せられない)、そういった世の中の流れに背を向けて必死にA5を生産している(させられている?)生産者が日本中にたーくさんいる。顔の見えない消費者が買い支えて今うまく行ってるんだからそれでいいのかもしれないけど、今後もほんとにそれでいいのか?と畜産行政には言いたい。

行政とか団体のやることも、黒毛和種も産地を限定して、小型化するなど希少種(いまだと短角とか無角みたいな位置づけか?)として囲い込む、みたいな戦略なんじゃないかとなんとなく感じるときがあるので、危機感はあるんだと思うけど。でもそれだと県単位で種雄牛つくってがんばってるのは消えちゃう、ってことか?

全国に山のようにある「何とか牛」の多くは有名になれない和牛ブランド。保育園で地元産の「何とか牛」の牛肉を食べさせたくても、和牛の肉じゃあ高くて体に悪いからそれができない。

行政よ、普通の消費者が何を求めているか、真剣に考えてくれえ!

  ☆

牛肉のピラミッドにおける黒毛って、クルマにおけるF1やWRCみたいなもんでしょうか。

サーキットやラリーで磨かれた技術って、ナンバーつけて走る市販車の性能に活かされるんだろうしね。

黒毛のA5がないとF1やホル雄(国産若牛っていうんでしたっけ?)の値段なんてつかなそうだもんなー。

  ☆

デーブ大久保、黒毛の後で出てきた褐牛を食ったときは「うまい!」といってた。

アスリートは正直だね。

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バーンミーティング

北海道よりM氏を迎えて、県内2ヶ所でバーンミーティングと講演会が行われたので参加しました。
そのなかで印象的だった言葉を2つ。

『技術にいいも悪いもない。特徴があるだけだ』
結局どっちがいいのか?これじゃダメなのか?とか、飼槽やベッド周りの施設のサイズなど、やっぱり具体的な答えや数字を求めてしまいがち。でもひととおりに決まるもんでもない、という話。
経営者が求めているものと牛の状態を知り抜いて、経営者に提案ができる技術者であるために、自分の勉強が足らなさ過ぎと猛省。ただほんとうにそれができる指導的な技術者は私の周りには少ないなーということを感じたのも事実。行動あるのみ。結果がすべて。

『皆さんも困ったときはがんばってください』
ハーベスタに巻き込まそうになった北海道のある経営者が、がんばってがんばってしがみついて足の骨折で済んだそうである。この上なくがんばってがんばったそうで、そのことについてのM氏コメントがこれ。
自分がそうなったらがんばりきれるか?がんばりきれると断言できるほど、酪農に対して腹を括ってるかというと、たぶん自分はがんばりきれないんじゃないかなー。バーンミーティングでの余談だけど、これが一番考えさせれた一言でした。

なによりもしゃべりのテクニックだなー。ほんとに飽きさせずに、伝える情報は伝わっている印象でした。
夜の部もあったけど、粗飼料の自給率の考え方とか飼料イネについてとか、いろいろと面白い(公にはできない?!)話も聴くことができて、M氏を呼んでこの会をセットしてくれた方々に感謝です。

  ☆

フキュウシドウインの勉強しなきゃー。

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