未利用資源のエサ利用

つくばにて、飼料米とエコフィードのシンポに参加。

いろいろと勉強になりました。エコフィードのほうは、MOTTAINAIと安全性がトレードオフみたいなところがあって、法的なものも含めてたいへんそう。

技術的な事例報告がいくつかあって、皆さん前フリに「消費者に食の安全・安心が高まってまして」なんていとも簡単に仰るので、うーん、と聞いてましたけど。

で、そのなかで発酵TMRに生の米ぬかを使って黒毛の肥育後期に給与する、という報告がありまして。エネルギー源としてもそりゃよさそうだ、と思うんだけど、当日の議論でも出ていたのが、どっからもってくるか、ということ。討論のまとめでも、座長が大家畜と中小家畜の間で奪い合いになっちゃいかん、のようなことにちょっと触れられていた。

ただ、大家畜と中小家畜なんてレベルじゃなく、すでに米ぬかなんて奪い合いが始まっているんだよね。私の組織でも有機栽培の資材として(除草だったかな?)、米ぬかがよろしい、ってやってたりするんだけど、それだってどっからもってくるの?っていう話になってたりする。

いわゆるバイオディーゼルのもとになる廃食油なんて、もとはただでもらってたものを、自治体が売れるとわかったもんだから見積持ってこさせたりするようになってるし。

未利用資源の利用ってのは難しいですねえ、と思ったのでした。

  ☆

ところで、つくば駅の近傍で、見たこと無いヒーローがなにやら撮影中のところに遭遇。ローカルヒーローか?ツクバァーンみたいな??

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飼料稲関係のシンポ

先日、とある学会で飼料稲関係のシンポ。

良質な粗飼料をきっちりやんないとだめ、っていう文脈で、基調講演でしゃべった先生(イギリス型の粗飼料多給型酪農の話をするんだろうと思ったらやっぱり、というあの方です)が一瞬、「飼料稲はそこまでのエサではない」といってましたねえ。まーいろんなものと組み合わせて使おうよ、ということなんでしょうけど。

パネルディスカッションでもあった話として、「目的化した飼料自給率向上」ってのが危惧される。いいエサをきっちりとって多給する、っていう使い方をするなら、自給率を向上させるために作ったエサなんて質の面でいいわけないしね。自給率向上じゃなくて、多給に耐えうるエサ作り、のほうが最近枕詞のように言われる「飼料と原油価格の高騰」にフィットするよなあ、と思ったのでした。自給率向上が目的のエサじゃなくて、多給に耐えうるエサじゃないと、経営の緩衝として機能しないもんね。

パネリストの一人の生産者の方が「生活のために牛を飼ってるんで自給率向上のために飼ってるんじゃない」っていってたけど、そのとおりです。

(ついでに遊休農地解消のために農業やってるんじゃねえ、ともいってほしい。あれも目的化しがちだもんね)

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飛騨牛で偽装,だそうだけど

飛騨牛を販売していた肉屋さんが飛騨牛でないものを混ぜて売っていた.

等級で「飛騨牛」になれる牛は決まるんだそうで.いわゆるブランド牛(と,ブランド牛になりたい牛)はみんなそうだろうけど.飛騨牛は3等級以上でいいんだね.

で,なんと2等級も混ぜていたらしい.そんなの短角だってでちゃうよ.

一流ホテル(KOプラザでしたかね?)の料理長という人が名前つきでNHKニュースに出てきて,「等級でお客様にも説明しているので困る」というようなことをいってたと思うんだけど,プロなら見た目で判断してくれえ,と思ったのは私だけ?

あ,肉質等級を左右する大きな要素の一つが脂肪交雑,いわゆるサシ,霜降り.で,これは目で見て判断するんです.

その料理長が持ってきた肉もあんまりたいしたことなかったような.いわゆるミミズザシで,霜降りの模様が粗いのだ.この場合,細かいほうがエライ,とされている.

  ☆

ただ,ここまで書いてきたけれど,和牛って誰が食べてるんだろうなー,というのが私の疑問.特に5等級くらいのやつ.私個人は,半分が脂肪の肉を美味しいと思わない,美味しく食べられない.2等級や3等級くらいが好みでございます.これって和牛としては完全にアウトな肉質なんですけど.

じゃー,一般的にどうなのかっていうと,私が変わってるわけではないんでないのかなー,と思う,というか信じている.

  ☆

ブランド牛って,雲の上の存在としてありがたがるものであって,財布や味覚や栄養,食事のとり方との兼ね合い(これを食生活,といいます)のなかで,フツウの日本人の選択肢には入ってないと思う.

ファーストクラスの飛行機とシルクのスーツ,居酒屋タクシーがデフォルトです,という方は別として.

じゃー,日本に雲の上の存在のブランド牛がどれだけ必要なのか,といえば,そんなにいらんでしょ,普通に考えて.松坂牛,神戸ビーフ,米沢牛,近江牛,前沢牛,とこれでもう5つ.

和牛のブランド化を図りましょう,なんていってる産地はいっぱいあるけど,果たしてそれ,必要なことでしょうか?そもそも,実現可能性を考えて税金つっこんでますでしょうか??消費者の姿が見えていますでしょうか???

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ちょっとアレじゃあないですか?

今日から日本農業新聞で飼料米の話が3回シリーズで始まった。
岐阜県の成果が紹介されていて、飼料米で濃厚飼料の30%が代替できますよ、というようなことが書いてある。
きれいなカラー写真とともに、圧片と粉砕処理をした飼料米で、A5でBMS9、だって。
これ見てすげえ!と思って「飼料米をどんどん推進すべし。和牛肥育は飼料米でできる」なんて思っちゃいけねえです。行政の皆さんはそうしたいんだろうけど。

本家岐阜県畜産研究所のホームページを見ると、ちゃーんとデータが表になっている。地域基幹でやったんだねこれ。
粉砕した圧片モミ、粉砕しない圧片モミ、対照区の3区構成、試験区各6頭対照区7頭。
BMSの平均(?)はそれぞれ、7.0、6.8、5.7…全部4等級じゃん。対照区もちょっとぱっとしない感じだし。

でもよくわかる。血統そろえるのも大変だし、予算や施設の都合で、頭数だってこのくらいが精一杯なんだろう。そうやって一生懸命だした成果が平均のBMS7という数字だ。なのにその平均を引っ張りあげたうまくいった1頭のデータだけを出して、5等級です、BMS9です、といってるのって、如何なもんでしょう?

農協の機関紙として飼料米の推進が第一義というのは理解できないわけじゃあないけど、農業を専門とするメディアとして,研究成果の紹介の仕方としては、ちょっとなあ、と思うんです。

コメを何とかしなきゃいけない。みんながそう思ってる。

だから、もう腹を括らなきゃいけない。ほんとに動かないと,動かさないといけない。

なのに、水田とコメ農家(某党の大票田。いうまでもなく)の維持のために(?)、構造改革(っていっちゃうと,途端に陳腐になるんだけど)をまた先送りするのかあ。飼料米なんて場当たりでしかない、と私は思う。しかし、30円でもやるのかね?

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飼料米への暴風(追い風)

21日の日本農業新聞の論説は飼料米スペシャル.やれやれつくれ,という内容.とーぜん,ちゃんと買ってあげるんだからさ,というのが前提.

飼料米のいいところは,コメであること.つまり,失政の結果,日本が田圃だらけでコメがあまり放題になっている状態でも,そのままコメをつくり続けてもいいですよ,というところにある.

田圃のまんまでコメをつくり続けられて,なおかつ,食用とバッティングしないんだから素晴らしいじゃないですか,とすんなりはいかないのだ.

飼料ってのは家畜や家禽のエサ.エサに対する(特に価格の)要求はシビアだ,ということが,推進する側に理解されてんのかな,という疑問はある.飼料価格が高騰してるから,といっても,エサとコメ農家が売りたい価格はゼロが一つ違うくらいの話じゃないか.

コメ農家の大多数は副業でやっている.それで飯を食う必要はない.だから,いわゆるドンブリ勘定になる.自分の経営の生産コストなんてわかってない人のほうが多いから,米価が下がって困りましたねえ,なんていってるけど,米価って何円単位?飼料米の受け手になる鶏や豚のエサ代なんて銭単位で取引してるのに?!

と,いうわけで,麦や大豆でうまくいくとは思ってないけど,生産の仕組みを根っこから変えようとしない飼料米は場当たりでしかないし,そんなの畜産にとっても有益な話ではない,と思います.エサに対する要求としては,とにかく安定して質と量が供給される,ということが必要.食用米よりは手抜き管理ができる,なんていいわけは通用しねえぞ.

冒頭の農業新聞ではWCSの話が出ていたけれど,よく,「畜産サイドでは飼料稲って欲しいのか?どれくらいなら受け入れてくれるんだ?」なんて茶飲み話として言われるけど,「イネだから食わないことはない.ただし,牛舎まで持ってきてくれて,サイレージ調製に失敗してるのは突っ返してもかまわないからいくらでも受け入れられるんじゃないか」と答えてます.少なくても私はそう思うから.

  ☆

という話が新聞に書いてあった日に,「やまけんの出張食い倒れ日記」を見てみると,飼料米で育てた卵のきれいな写真がのっていた.

本文にも書いてあったけど,黄身の色なんて事実どーにでもなるので,オレンジ色に近いものをありがたがる,みたいなのはこっち(畜産)側の啓蒙が足りないんだろう.ある意味反省.

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学会へいってきました

Maxcoffee出張おわり.くたびれたー.

出張というのは,宇都宮で開かれていた日本農業経済学会への参加.報告もしたんだけど,まーこんなもんでしょ,という感じでしょうか.テクニカルなところは全然突っ込まれなかったし,大きな傷はないと思う(あるいはそう思いたい).

初日のシンポジウムは,全部はきけなかったんだけど,その夜の懇親会(ギョーザもでたよ)にはきっちり参加してまいりました.自治体の人とも話ができたんだけど,やっぱりシンポジウムでの集落営農の議論は,ちょっと現場から乖離しているところがあるかな,というところで「?」みたい.「オカネをもらうための集落営農はまだアリだけど,営農の仕組みとしての集落営農はもう終わってる」というような話をした.翌日の特別セッションでも,報告者の一人(地元栃木県内の農業者)が,「集落営農は集落を壊す.近くに住んでるからといって仲が良いわけではないし,多少離れていても考えの通じた人と組むほうがいい」というようなことをいってたもんなあ.

シンポでの安藤先生の「集落営農の安定性は,その社会の安定性による」(私なりの理解です)ってのは上手なまとめかただと思う.ワタシの周りはすごーく不安定な気がします,ってことは?!?!

シンポジウムのなかで,集落営農にもっと畜産をいれてはどうか?という話が出ていた.結局,耕作放棄地に牛を放して,ということなんだろうけど,想定されるのは繁殖和牛でしょ?ってことは,その果実を何人で分けるんだ?ってことと,遊休してるのが狭小分散作圃だ,っていうこと,あとは繁殖経営が依存している子牛の高値の安定性がどれだけあるか,あたりが問題かな?ピロプラズマ等の対策をちゃんとやってくれれば,ノウハウもあるし,取り組みやすいところだと思いますけどね.

  ☆

結局,朝食以外は毎食ギョーザを食べましたです.

画像は,栃木(と千葉と茨城でしたっけ?)といえばこれよね,のMAXコーヒー.やっぱり買った.

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ばかばかしい仕事

昨日は出張して来年度から本格的にスタートする事業の会議.

コメ&畜産がらみ,ってことは飼料稲がらみです.

昨日も一時間くらいかけていった割には決まってないことが多すぎ.現地で実証をお願いする生産者の代表の方が来ていたのでご挨拶.っていうかそれ以外のことは私はほとんどやってない.

だって,収穫するコンバインに若干改造をするらしいんだけど,そのコンバインをどうする,っていう話がこの期に及んでできてないんだもん.なにそれ?!

やってもらうのはいわゆる新技術.詳細は省きますが,普及性はないだろうね,これ.

行政サイドも「コメで生産調整ができるとなれば,その経済効果は大きいことが期待される.アドバルーンとなるような成果を」みたいなことを締めに言ってましたが,要するに,生産調整の対象として飼料稲を認めるから,結果としてできる飼料米の「処理」は畜産サイドでよろしくね,ということであるらしい

しかも,ここでの畜産はの対象は牛(和牛と酪農).はあ?

行く途中に一緒だったのは,畜産を専門としていない方だったので,軽めに質問に応えたりしていったんだけど,ハードルが多すぎる,ということはわかってもらえたみたい.

生産調整に協力しよう,この事業でやった技術が広がっていけばいいですね,という前向きな気持ちで参加してくれるコメ農家に,この技術は普及するとは現状では思えません,ってはっきりいえないのが辛かったです.

どうも,試験研究サイドの生活費として外部資金をとにかく取って来い,ということと,新しい技術を普及させるんだ,ということと,コメをつくり続けるために(つくらせ続けるために)飼料稲を振興しましょう,というまったく別な次元のことを同時に走らせようとしているために,会議にいる人がみんな別な思惑を持ってる感じがした.しかし,こういうことは走り出すと止まらないんである.嗚呼.

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農政局発もったいないポスターと生産調整

東北農政局がつくった「コメのつくりすぎはもったいない」ポスターが撤去、だそうだ。

農家感情に配慮とかいろいろいってますが、そんなポスターつくって配布して貼らせるという、その金が「もったいない」だろ、と多くの関係者が突っ込んだに違いない。

  ☆

生産調整ってこのブログでもなんどか書いたけど、うまくいくって思ってるひといるんだろうか?

そもそも、役所が積極的に関与するっていうのって、食糧法上ちがうんじゃないの(谷津センセは問題ない、という認識であるようですね←梶井氏によるインタビュー)?っていう単純な疑問のレベルから私はなかなか抜け出せないんだけどさ。

昨日の日本農業新聞(?)で、デントコーン(フリント種でもいいんだろうけど)も認めようじゃない、ってことになってるようなのは酪農関係者としては寿ぐべきこと。でも、生産調整の交付金その他って、コメ農家に金を流す仕組み、即ち、コメ農家の財布が痛まないことを考えてるわけで、その水準では地代とのバランスが悪すぎて、コメをつくらない田圃を集積して、酪農家が畦をぶち抜いてヘクタール単位でどかんと使う、ということにはならないんだな。

飼料用トウモロコシを田圃で作るってのも、排水対策というハードルはあるけど、細断型ロールベーラによって作業性(ワンマンでもできる。雨が降ったりしても途中でやめられる)と輸送(ダンプにつめてサイロ、では離れた田圃で作るっていうことが現実的でなかった)は相当クリアできる、と考えてます。生研機構とは関係ないですよ私。

とにかく、政治はあてにならんけど、猫の目農政を逆手にとって、うまく立ち回るしかない。

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業界雑誌から

「Dairy Japan」の最新号(2月号)が届く。

このところ、飼料稲方面にコメの政治的影響もあって暴風が吹いており、酪農関係としてはうまく立ち回らないととんでもないことを押し付けられそうな気配。

そんななかでの「飼料イネと食品副産物の発酵TMRで高泌乳&コストダウン達成」は参考になった。

コストダウンってのはちょっとわからない部分ではありますが、イネWCSをTMRに入れるときの注意点が書いてある。やっぱりイネWCSのマイナスの特性は配合やルーサンで補う、ってことであるようなので、飼料稲で輸入飼料を減らすんだ、みたいな行政の方が描いてるロジックは単純すぎ、ということのいいデータです私にとっては。

だって、試験研究でも単純に飼料成分測って、実証農家に「うん、食うよ」といってもらったのを嗜好性がいい、っていうことにして、みたいなことやってるじゃないですか。

それで終わればそこで終わるんだけど、現在の問題はというと、生産調整の政治的暴風にあおられて、じゃあ耕畜連携で飼料稲の作付面積を倍に増やしましょう、みたいな議論がでてきちゃう、というところ。

誰がやるんだ、というところで、TMRセンターなりコントラクタが挟まらないときつい、というのは問題点としてはっきりしてきてる。あとは独法とメーカーでつくったフレール式の収穫機(940万円でしたっけ?)を事業でばんばん入れてもらうしかないかな?

  ☆

「農耕と園芸」をひさびさにぱらぱらっとめくったら(だってわかんないんだもん)、今月のラッキー野菜(っていうんじゃないけどとりあえず)のコーナーがなくなっていた。残念。

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耕作放棄地は戦略的意思決定の産物

タイトルにも書いたように,耕作放棄地というのは,耕作者が戦略的に意思決定をした結果であると考えている.

なーんて偉そうにしなくたって,耕作放棄されているところを見ればそんなの明らか.そりゃー平場が放棄されているなら問題で,どんどんつかいなさい,ってことになるけれど,斜面の桑園とか,湿地で畦がずぶずぶになっているようなところを無理やり田圃にしたところとか,そんなの耕作放棄されて当たり前.でしょ?

コメ農家がつくりすぎてる田圃の処理に困った結果,じゃあ飼料稲だ,ということがクロースアップされるようになってきた.畜産サイドとしてははっきりいって迷惑な話ではないの?

それってハイオク限定のクルマに灯油とか廃食油とかをどこまでまぜられるのか?っていう議論といっしょじゃねえか,そんなのナンセンスじゃねえか,って私は思うんですけど.タンパクがどうとかいってるけど,よもやイネをケルダール分解してタンパク含量を出す,なんてこといわないよねえ?ちゃんと牛の利用まで考えるんだよねえ??

飼料稲を作付けして耕作放棄地を解消するんだ,なんてアホな議論も出ている.山のなかの狭小分散地がだいたい遊休,耕作放棄されているのに,そこをどんな機械で,誰がやるんだ?ということがまったく考えられていない.飼料稲は(例えば直播をつかって.あ,私個人は直播って低コストになりづらいという印象ですけど)低コストで栽培するんだ.とかいっておきながら,非効率(ってことはお金が余分にかかるということだ)な圃場を使うんだ,ってもうむちゃくちゃなことをいっている.

どこでもそうだってわけじゃないけど,こういうデタラメなことが試験場の自己満足研究(だって普及なんてするわけないじゃないですか)としてやられようとしている.くだらん,っていうか腹立たしい.

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コメ生産調整と飼料稲,ハア?

コメの政治による混乱が続く.

生産調整の配分というのがある.配分っていっちゃいけないんだけど.

余ることがわかっているものをつくり続けさせ,ムダに公金を使う仕組みを温存するための仕組みが価格支持政策とその手段としての生産調整だ,と私は思う.

その生産調整をどの市町村にどれだけやってもらうか,ということを説明する,というか配分する,というのが年末に行われる.

とーぜん,文句がブーブー出るわけです.

要するに,生産調整をきちんとしてるところは,「なんでちゃんとやってるおれたちが」だし,お構いなしに過剰作付けしてるところは黙ってる.「中山間地はコメをつくるなということか」という質問には「はいそうです」と答える…ことは当然だけどない.

価格支持政策が破綻しているのにも関わらず,生産調整をやらせるんだ,いうこと聞かない自治体にはペナルティだ,ってそれが自由な国の経済なのか?そんなの納税者に説明できんのか??

「中山間地ではコメをつくるなということか?」っていう話だって,そのための条件不利地域の設定だし,そのためのデカップリングであったはず.新基本法の理念を無視して税金を突っ込み続けて価格支持政策を続けた挙句,コメなら金になる,という偏見を植え付けて中山間地の体力と競争力を落としてきたツケがまわっている.こんなにコメ偏重にしたのは一体誰よ?っていいたくなっちゃう.

とにかく,コメの作付は減らせない,でも買ってくれる人がいない.じゃあどうするか?家畜に食わせる,という飼料稲がどかーんと増えるみたい.あーこの手があったよかったよかった,って思ってるのは行政の人くらいで,耕畜連携なんてうまくいかねえのよ.

飼料稲がなんでうまくいかないか,というと,コメ農家と酪農の組み合わせで考えた場合,かたっぽはプロだけどかたっぽが素人だ,ということに尽きる.うまくいってます,という一握りのところは,耕種サイドに積極的に体を動かすプロがいる.

コメ農家のほとんどは第2種兼業農家,いわゆる小遣い稼ぎの副業農家.農業所得が0円までは続けます,という人たち.そんな人たちはWCS(ホールクロップサイレージ)用の収穫機なんて買わないし,つくったものを運ぶ気はない.そもそも副業なんだから,積極的に仕事を増やすことをするはずがない.で,同じ集落なんだから,粗飼料生産の機械を持ってる酪農家に収穫してくれ,もっていってくれ,堆肥を散布してくれただし全部はいらねえよ,っていう話になる.

対して,酪農家はほぼ全員それで飯を食ってるプロだ.コメと違って毎日酪農で汗をかいている.コメ農家のいうことなんて聞いてる暇はないわけだ.だいたい,酪農家が持ってるトラクタってのはコメ農家のものよりでかい.田圃で使うにはでかすぎなことが多いのだ.しかも飼料稲なんてエサの設計のなかでパシッとあうものではない(この辺は研究がサボってる,ように見える).とりあえず,給与できますよ,程度の実証はやってるけど,労働時間も含めて,それまでの自給飼料なり購入飼料に代替する,っていう経営上の話まで踏み込んでるデータがどれだけあんの??

食管農政に逆戻り,みたいな平成19年が終わる.どーせ来年はちょっと揺り戻しもあるんでしょう.我が県では県全体の品目横断(これも名前が変わるそうですが)の加入率は出すけど,市町村別は出さないそうだ.余程見られちゃ困るんだろうね.

現場は怒ってるかはっきり言って冷め切ってる.生産調整なんてお構いなし,なところはそのままつくり続けるだろうし,正直者は馬鹿を見続けるだろうし,行政の積極的な関与,っていったって,そんなことやってられないよっていう自治体だってざらにある.農政事務所も相当偉い人を連れてきて説明とか激励とかおどしとかすかしとかいろいろやるみたいだけど,農協・生産者も含めて,こんなのムリだよっていってるなかでの実効性は疑問っていうかないでしょはっきり言って.

ペナルティによるひきしめで生産調整が成功する,って思ってる人,そんなにいるのか?!霞ヶ関よ「政治主導」に負けるな!

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育休とおシゴトがらみのブログ

ただいま(短時間の)育児休暇を取得しております.

所定の様式でとるんだけど,これ,

女性は取得届で,男性は取得願になってる.

つまり,女性は無条件で,男性はとれないかもよ,ってこと?

男性だけ取得する理由を書かなきゃいけないってなにそれ?!

てきとーに「育児を代わる人がいない」みたいなことを書いてだしたんですけど,通りました.

  ☆

シゴトが進まねえ今日この頃ですが(いつもいってるけど),そんなときは上手に気分転換ですね,っていうわけで,専門分野のブログなんかをたまに見る.いくつかご紹介.無許可なのでリンクは貼りませんので興味があるかたは検索してくだされ.

「畜大で農業経済学を学ぶこと」:帯広畜産大学の農経ブログ.知ってる人の顔が時々出てきてウレシイ.まだ現場レベルからはちょっと遠い感のある畜産衛生経済分野.がんばってほしい.

「筑波大学・環境政策学研究室」:Y先生の更新履歴(という名の日記)が面白い.ワタシはカブ・クワに興味がないので3割くらいはわかんないんだけど.

「食農ステイション」:農工大のN先生のブログ.いい感じで力抜けてます.

「Pu&Fuの研究室だより」:愛媛大学の農業経営学ブログ.書き手の幅が伺える濃いブログです.

さーシゴトしなきゃね.

  ☆

松山で学会発表してきたネタがやっと所内回覧から返ってきて昨日郵送.事務のおねーさんの机に埋もれてたらしい.

よろしくお願いします,パンパン(拍手).

  ☆

そーいや,SEMEXのウェブサイトにあった壁紙がつまらんものに変わっていた.

前のやつ好きだったのに.がっかり.

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グルイン,モミガラ&遊休農地

今週で9月も終わり.忙しいっす,の話.

暑さ寒さも,というわけで,何を着ていこうか微妙な季節.一応,職場としてはノー上着,ノーネクタイなんですが.

シゴトのほうもなんだかやること多すぎでいっぱいいっぱい.その多くが自分の仕事ではない,ってのが痛いなあ.

  ☆

農産物ってつくれば売れる,という発想で物事が進んでいく(いっていた).で,それじゃあいかんということから,消費者のニーズを踏まえて,見たいなことが盛んに言われている.

でも,そんなノウハウがあるわけないんです.どーしましょ,というわけで,以前その辺の仕事をちょびっとやった関係からちょっとまとめてみてよ,ということになった.

そのときはグループインタビューをやった後に郵送調査,という理想的といえば理想的なかたちだったので,グループインタビューならできるんじゃないか,という流れ.

グループインタビューですか,うーん,なんだねえ,はっきりいって.

グルイン,っていうか,その成立のキーであるところのグループダイナミクス自体,日本人では難しいんじゃないか,なんて明確に否定する人もいる.ここはアメリカじゃない,っていう議論ですね.

私はといえば,「(経験から言って)それなりの利用性はある」というのがスタンスなんですが.でも「それなり」なんだよねー,グルインで何もかもわかるとは思わないし.

偉い人が何を考えてるかは明確.

「これは大変にいい品種である.なぜからば,われわれの作ったオリジナル品種だからだ.したがって,この品種をがんがん推進するべきだ(例)」というようなおかしな議論の科学的裏づけ,というか,消費者ニーズ,という「受け」がいい理由がほしいだけ.

そのために都合のいい技術として,グループインタビューは有効である,っていうことになりそうなんである.やばいっしょ?

消費者に集まってもらうんだから,そこにマスコミでもよんでPRに使えばいいんだ,くらいの認識の偉い人もいるくらいだし.嗚呼.

  ☆

抱えている仕事のひとつはというと,以前も書いたモミガラ問題.いよいよ動き出せるか?

これはなんとしても実現したいんだなー.

なんたってユーザーがいる,ということが明らかなんだもん.

私どもがやってる仕事って,でかい花火のほうが喜ばれる,ということろがある.

「遊休農地がたくさんあるので,そこで菜種やひまわり,といった油糧作物を栽培して,バイオ燃料をつくる(例)」みたいなやつとか.

誰がやるんだそんなの.農業の担い手の多くは,夢や行政のためにやってるんじゃなくて,それで生活がしたいのに.それが主たる収入かどうかは別だけど.

何度でも書きたいと思うけど,「遊休農地の合計面積」が多いことは問題にすべきではない.

平場が有給してるんだったらそれは大問題.何とかしなきゃいかんでしょ.

でもこの辺では,むかーし,養蚕が華やかだった頃,そこいらじゅうを桑畑にした.桑畑って他の用途では使えないようなところでもできたもんだから,結果的に農地が桑畑として増えた.そして養蚕がほぼ消えた.桑畑にしかならないような土地(例えば傾斜度で)が遊休農地として残った.

桑畑にしか(あとは繁殖和牛の放牧地くらいだ)ならない土地が遊休しているからといって,遊休農地でバイオ燃料だあ?はあ??

使うことが非効率な農地を使うことで赤字が増えていく,だからそこは補助金で埋めましょう,っていうことがどこまで成り立つのか,誰がその金を出すのか.

ほーら,それに比べりゃ現場が具体的に悲鳴を上げてるモミガラのほうが,やりがいとしてぜんぜん違うよね.

  ☆

自民党総裁に福田氏.それはいいんだけど,随分と政治的な空白ができてるのにもっとメディアはそれをいうべきじゃないの?

組閣までは新聞がそっち向くから,自動車のリコールとか都合の悪いニュースはいま出し放題ですねえ.

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モミガラがちっちゃくなったらいいよね

うちの方では籾摺りのことをスルス,と呼ぶ.
スルスってなんだろう,と思っていたら,「すりうす」が訛ったものなんですね.
磨臼って書きます.20年以上抱えていた謎が解けた.

なんでトートツに籾摺りの話か,といえば,籾摺りによって出てくる「籾殻」のこと.
畜産ではこれが敷料になる.牛のベッドに敷くわけだ.

さて,このモミガラ(敷料として使うときって漢字じゃなくカタカナで書く気がする)は十分にあるんでしょうか?

答えはイエスでありノー.ケースバイケース,というやつ.
私どもの県はあっちとこっちで農業の姿が結構違う.
水田地帯もあれば(もちろん,コメ麦大豆じゃもうからねえっていってる人も多いです),果樹地帯もあり,という感じ.

畜産で敷料が足りない,というところがあって,水田地帯でモミガラが余ってるところもあるんだったら,そのミスマッチを何とかしましょう,ということができないか.

モミガラを集めるのに必要なのは手間と時間.
小規模なライスセンターとか個人が籾摺りをやるところに畜産農家がトラックをもっていってそこにモミガラを吹き込んでもらい,たまったらもって帰る,みたいな感じでやってるのが多いかな.
なんで,遠いところに行くのはやだし,取りに行くのも籾摺りにあわせなきゃいけない.
とすれば,出てくるモミガラを圧縮梱包できれば,長距離の運搬や保存の可能性が出てくるんじゃない?

というわけで,その圧縮梱包をする機械ってないのかなー,というのが,今立ち上げようとしているテーマ.

畜産サイドの状況をいろいろ聞いてみると,イナワラも手にはいりにくくなってるし,これはイケルな,という感じがありあり.
一方,モミガラの廃棄って,(公表データでさえ)面積換算で7~9%くらいの量がある.
技術のニーズはあると見た.

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「エコの壁」を読む

NIKKEI NETで養老孟司さんのインタビュー記事が読める。面白いです。

そもそも、最近のバイオ燃料ブームはなんだかアヤシイ。
もちろん、酪農業界にとってトウモロコシ(に加えて他の穀類)の値段が暴騰していることが経営をダイレクトに圧迫する、とうこともあって、情緒的に受け入れがたいところはあるんだけれど。

始めに褒めておこう。化石燃料が有限で、しかもその限界がすぐそこにある現在、石油じゃない燃料で内燃機関を動かそうというのは理念としてすばらしい。立派。
ただ、4月くらいに試験的にやってたやつだけど、海外(フランスでしたっけ?)から石油を焚いてバイオ燃料を運んできて、それを日本でガソリンと同じ価格で提供する(ってことはその差は誰かさんのおカネで埋められている)、ってマトモだと思わないんですけど。

日本国内で遊休農地が非常にたくさんある。そこでエタノールの原料となる作物をそだてて、バイオエタノールを作りましょうってのは理念として美しい。立派。
ただ、こんなにも遊休農地が増えてしまった原因はコメ政策の失敗によるもので、それを忘れた振りしてそこに燃料の元となる作物ときましたか。
もうすでに補助金じゃんじゃんいれて余るのがわかってる農業生産してるのに、これまた補助金じゃぶじゃぶ使って油糧作物ってことだろうけど、財源どこにあんの?誰がやんの?ひょっとして集落営農なんてこれまた美しい理念もちださないよね??

「エコの壁」、農業分野に身をおいてるからか、なるほどと思います。
興味のある方はご一読を。

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農学はロマンティックか?

「農学のロマンティシズムに冷や水を浴びせるのも農業経済学のレゾンデートルのひとつかもしれない」

「農学がわかる」という本のなかで生源寺眞一氏が書いていた文章です(細部は違うかも知れないけど)。これを胸に、というか、拠り所としてこれまでやってきた気がします。

やっぱり、農学系の研究ってどれだけ採れたか、が未だ第一義。個別の技術はある、って技術系の人はいいます。例えば、この病気にはこういう方法がある、とか、この時期に出荷をずらすことができる、とか。でも、その個別の技術を、実規模の経営にのっけてどうか、というところまで考えてる人って少ない。
もっといえば、産地戦略をどうする、というような議論の延長で技術論を捉えてない、っていうか。採れればいいんじゃなくて、売れるときに売れるところに売れるものを売れるだけ、といった商売として普通の考え方をせず、余るのがわかってたとしてもつくるってのが農業の特徴なのかな。

ワンオフの、試験区規模でやった技術をとりあえず実証して、その結果の言葉だけが技術の評価として一人歩きしちゃう、ってのはよくあること。
具体的には、数頭の子つきの繁殖和牛を遊休農地に放牧してみたら、「その経営と飼養規模で」舎飼よりも低コストでした、という結果から、「放牧=低コスト」という結論を導いてしまい、酪農で育成牛を放牧するのは低コストにつながる、みたいな議論。
これって乱暴だと思うけどホントの話です。
地元県内に多い経営のあり方を見たって、和牛繁殖と酪農を比べたら飼養頭数だって全然違うし、頭数から導かれる必要な面積だって当然違う。
それを遊休農地対策、という施策にフィットするという名目で、放牧はスバラシイ、になっちゃう。

遊休農地がなぜ遊休したか、って単純にいえば、使えない農地だったから。その多くは狭小で分散した錯圃なわけです。
ってことは、放牧可能な頭数のキャパシティにももろに影響するはず。にもかかわらず、片手で足りるかちょっとはみ出る程度の頭数規模が多い和牛繁殖経営と、搾乳で30頭くらいの酪農経営を同列に扱ってしまい、酪農で育成牛を遊休農地に放牧しましょう、ってもう論理が破綻してる気がするんだけど。
現場の感覚からすれば、搾乳30頭ってことは育成舎で飼う育成牛は10頭くらいだとして、それに加えて近くの狭い遊休農地に育成牛を2,3頭放牧するバカはいねえし(そんなの金銭的にも技術的にも時間的にもあまりにムダ)、その頭数だったら12,3頭無理して飼うか、10頭から増やさないよねフツー。
でも、「放牧は低コストであるし、遊休農地の利用にも寄与する」ってそれなりの立場にある人がいっちゃうんだもんねえ。困ったもんです。

その場に居合わせた私としては、「実際に現場でやってる規模を想定してくれ」っていい続けたんだけど、予算や施設の制約もあって(その事情もよくわかる)、現場とはかけ離れた規模で結果だけ求められちゃう、ということがたくさんあるようです。
「やる前からカネの話はするな」なんて釘も刺されちゃったりして。

それでも現場で求められてることはこうじゃないの?という視点でこれからも冷や水を撒き散らしていこうと思います。

やっぱり農学はロマンティック、なんだろーなー。

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畜産の研究と経営と飼料イネ

おシゴトでの飼料イネ関連の打合せで思ったこと。

  ☆

試験場発の成果を実証しましょうということで、農家の田圃で飼料イネの現地実証を行っている(ちょっと前に書いた)。
農家の方からの提案で、大麦のように圧片してはどうかといわれてやってみたところ、和牛の給与試験をやる試験場の畜産サイドの偉い人がいたく御気に召しちゃった。

飼料用のモミの圧片給与は、鹿児島や長野で20年位前にやっている内容で、技術的に給与は可能であるという結論は出ている。

じゃあなんでいままでやられてないのか、といえば、単にお金がかかるからなんですね。
鹿児島の成果でも、わざわざ『経済的な面を考慮しなければ』という但し書き付きでまとめているくらい。
※鹿児島でこの成績を書いた人は畜産の技術系職員だと思うけど偉いと思う。経営的につりあわない、なんて普通は隠したいことを書くっていうのは、やる人(農家)のことを本当に考えてないとできないよ。

今回の打合せでも私は農経として参加したので、「採算がとれないんだから普及するはずがない技術だ」とはっきりいったんだけど、畜産サイドの偉い人はもう気に入っちゃってるもんだからやりたくてしょうがないらしく、「やる前からそんなこというな」みたいな状況。
圧片することと20キロの袋詰めは「イノベーション」なんだって(ハズカシー)。

昭和の技術を引っ張り出して製品は袋詰めするのが当たり前の業者に依頼する、という既存の技術を既存の施設でやることがどこでどうなって技術革新なのかは私にはわかんないですけど、結局、畜産サイドのゴリ押し(?)でやることになった。

この研究って、もともと、赤身の牛肉を健康的な、循環型の生産体系でつくって消費者に経済的評価をしてもらう、という内容だったのだ。
自給飼料増産、耕畜連携、循環型農業、持続可能な生産、消費者ニーズ、健康志向、といった行政ニーズてんこ盛りの内容だった(おかげさまで第3者も入った事前評価は非常によかった)のに、いつの間にか、エサは外から買ってくるものという和牛肥育の常識にとらわれたただの和牛の給与試験(しかも同程度のことは20年前にやられている)になってしまった。
計画段階でも(頼まれてもいないのに)関わっていただけに非常に残念です。

試験研究をする側が現場や川下のニーズを忘れるとろくなことがない。

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飼料イネってどうなの?

牛がコメを食べることを考える話。

田圃に他の作物を植えるとお金がもらえる、という政策が進行している。この、食べるためのコメ(つくっても余るので国は政策としてコメをつくる量を減らしたい)以外のものをつくらせる仕組みの1つがコメを家畜に食わせる「飼料イネ」である。

飼料イネでお金をもらうためには、食用米ではありませんよ、ということを明確にする必要がある(でないと、飼料イネの金をもらった上に食用米として高く売るという悪いことを考える人が出てくる)。そこで行われるのが早く(まだ青いうちに)刈ってしまうという方法。こうすれば、食用米と作業時期もずらせるしね。

  ☆

というわけで、台風の影響でちょっと遅れたけど、おシゴト関係でその飼料イネの刈り取りの手伝いに行った。飼料イネというのもいろいろで、ワラに近い水分のものからサイレージのもの、モミを使うものなどがある。このあいだは、モミだけをサイレージに調製する、というもののはずだったのに、モミをサイレージにせず、飼料工場にお願いして圧片にする、ということに話が変わっていた。

これ、80年代に某県の畜産試験場で肥育牛に給与したりもしてるんです。その成果をみると、「経済的なことを考えなければ」という前提で、圧片大麦の代わりになりますという結果だったと思うけど、私の関わったケースでソロバンをはじくと、この圧片モミ、圧片大麦の10倍くらいの値段になりかねない。

作業をしていただいてる人は自画自賛で、「いいアイディアだ。いい技術だ。これが流通したらいい」といってたけど、値段が10倍で、安定的に供給される保障はどこにもなく、通年給与できるだけの量も生産されず、質的にもばらばらなエサ、誰が使うの?!

しかも飼料工場に持ち込む原料を生産するとなれば、お金がもらえるかどうかわかんないし、飼料安全法とかのハードルも高そう。結果として、こんなことやって何になるんだ、というストレスばかりがたまる仕事でした。

  ☆

牛を全うに飼うことができて、クリーンな生乳を安定的に生産できるのなら輸入購入飼料で何が悪いの?って思う。

「食料自給率の向上」がいつのまにか飼料自給率に置き換わって(このあたり畜産サイドはもうちょっとたたかうべきだったのではないか)、輸入飼料が悪者になって自給飼料万歳になってるけど、日本の水田のコメをすべて牛に食わせたとしても100%代替するのは無理だよね、おそらく。

横を見やれば、70年代くらいに造成して放置されてる草地がわが県にはたくさんある。飼料イネよりほかにやることはあると思うんですけど。

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削蹄は年2回です!

とある酪農関係セミナーに参加。

蹄病の話を中心にアメリカからB氏を招いての講演。
へえー、って思ったのは、未経産牛に分娩前に削蹄を施す、というもの。
それだけで1回目の乳期で1134キロ違う、といっておられました。

確かに蹄病ってカウコンフォートと直結する話だし、大切だというのはよくわかる。
でも、じゃあ年2回マメにきちんとできるか、跛行をみつけたときにささっと削蹄ができるか、っていうと難しいかな。
自分自身に技術がないので、削蹄師呼ばなきゃいけないしね。

  ☆

講演終了後、B氏による削蹄用の保定枠をデモ(牛はいなかった)。
すごーくいいと思うけど買うと高そうである。買わないけど。

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クマが出ます

この間、山沿いの広域農道というのをクルマで走っていたら、クマに注意、という看板があった。
近くに民家も多く、たいへんだなと思う。

ツキノワグマは絶滅の恐れがあるんだそうで、駆除するんじゃなくて山に帰すんだそうです。
ところで、「山」ってなに?人が住んでないところ?そんなとこあるの?

獣害(作物がクマ、サル、イノシシにあらされること)で困っている、というところに仕事でなんどかいったことがある。
そこで聞いた話。「サルを山に帰すっていってもよ、そりゃ街から見れば山に追い返してるのかも知れねえけど、追い返してる先は俺の畑なんだよな」といっておられた方がいた。

牛が食べる飼料用トウモロコシの作付が激減している。エサとしては非常に性能の良い、価値が高いものだ。じゃあ何で減ってるか、といえば、これがズバリ獣害だと思う。組作業をしなきゃいけないから、とかいうことももちろんあるけど、それより良く聞くのが、作りたくてもクマにやられる、イノシシにやられる、サルにやられる、という声。

獣害はもはや、日々の稼ぎが奪われる(お勤めの方は明細と振り込まれる額が違う、という状況をイメージしてください)、という深刻な状況になっている。
こういうこと書くと起こられるけど、絶滅の恐れがある野生動物に人間の生活が脅かされる状況になってるんじゃないんでしょうか。

「山」に帰す、っていうときの「山」と、それ以外に明確な線が引ければいいんだけど(高さ10メートルくらいの壁で「山」が囲まれてるとか)、そんなこと無理だし。
で、その間のグレーゾーンに動物を追い込んでグレーゾーンで生きている人間が泣き寝入りしてるっていうのが私の周辺での現状です。

  ☆

北海道に住んでいたとき、ヒグマに遭遇したことがある。
帯広から富良野に行く途中の幾寅というところで、小さめのヒグマ(若いやつだったのかな)が道路を横断していた。
私は思わず「クマだ!」と叫んでいた。
野生のクマは見ると叫んじゃうよーつい。

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霜降り、好きですか?

霜降り和牛好きな人ごめんなさい!

  ☆

昨夜、NHKで和牛がらみの話を放送してた(「プライスの謎」ね)ので,

なんとなくみておりました。なんと生源寺センセイがタレントの皆さんとお話などしていらっしゃる。

で、肉食ったタレントのコメントは予想通り。

「やわらかい」「唇で切れる」「外人も食べさせるとおいしいという」

つまり、自分が食べた感想としておいしいとはいわないのである。おいしい、じゃなくて、やわらかい、がほめ言葉なのだ。

デーブ大久保は「これだけ焼いても脂がジュクジュク出てくるんですね」といっていた。

はっきり言え!脂が多くて食えない、まずいと!!!

畜産の世界にいると、和牛万歳というスタンスで、結果ありきで無理矢理に理由作ってねえかそれ、みたいな和牛のおいしさを説明する資料を見ることが多い。

件のNHK番組でも脂肪酸の質に言及している人がいたけれど、おいしさの研究をしてたりすると、和牛を焼いた香りは他の牛とは違う、とかね。それはそのとおりなんですけど。

でもねえ、そんな微細な差がわかる人って消費者の何割?

私もシゴトで官能検査に関わったりしてるけど、日本人は霜降りが好きなんだ、和牛はおいしいんだって、味がわかる(たとえば5味が判別できる)人って全体の何%かわかって言ってる?

すき焼きって(関東風の)、割下で「炊く」料理でしょ、そんなことして肉の味や風味ってわかりにくくなっちゃうんじゃない?(海原雄山先生も肉の味を知らない人間の料理、と切って捨てていたような記憶がある)

焼肉ぅ?網で焼いたら燃えてなくなるでしょ?

しゃぶしゃぶぅ??せっかくの脂捨てちゃうの??

  ☆

さて、和牛を貶したいわけではないんです。

とある県で行われた和牛技術者の講習会で、全○×牛登録協会(略して「全×」)の京都本部から来た講師が、「5等級は脂が多くて食べられません。3等級くらいがおいしいです」といっていたそうである。それって黒毛和種だと出来損ないがおいしいってこと?!

もちろん、貶している文脈じゃなくて、黒毛和種の改良はそこまで進んでるんだ、という話でだそうですけど。

黒毛和種のプロ中のプロも、自分が食べておいしい肉質と、生産者につくらせる肉質は違う、というわけ。

黒毛和種の肉って、一般的な消費者はほとんど食べてないし、高くて、まずくて、体に悪いとさえいえる。でも、ほんの一握りの人にだけわかる、とーってもおいしい、まさに芸術的な食材であり、また生産者には富をもたらすんだから黒毛和種は偉大。なにしろ高いんだもんね。

日本人の多くに「霜降り」=「おいしい高級品」って認知されてるんだし。

ほんの一握りの高く買ってくれる人のために、地産地消とか、健康志向とか、食の安全とか、動物愛護とか(黒毛和種の肥育ってちょっと消費者には見せられない)、そういった世の中の流れに背を向けて必死にA5を生産している(させられている?)生産者が日本中にたーくさんいる。顔の見えない消費者が買い支えて今うまく行ってるんだからそれでいいのかもしれないけど、今後もほんとにそれでいいのか?と畜産行政には言いたい。

行政とか団体のやることも、黒毛和種も産地を限定して、小型化するなど希少種(いまだと短角とか無角みたいな位置づけか?)として囲い込む、みたいな戦略なんじゃないかとなんとなく感じるときがあるので、危機感はあるんだと思うけど。でもそれだと県単位で種雄牛つくってがんばってるのは消えちゃう、ってことか?

全国に山のようにある「何とか牛」の多くは有名になれない和牛ブランド。保育園で地元産の「何とか牛」の牛肉を食べさせたくても、和牛の肉じゃあ高くて体に悪いからそれができない。

行政よ、普通の消費者が何を求めているか、真剣に考えてくれえ!

  ☆

牛肉のピラミッドにおける黒毛って、クルマにおけるF1やWRCみたいなもんでしょうか。

サーキットやラリーで磨かれた技術って、ナンバーつけて走る市販車の性能に活かされるんだろうしね。

黒毛のA5がないとF1やホル雄(国産若牛っていうんでしたっけ?)の値段なんてつかなそうだもんなー。

  ☆

デーブ大久保、黒毛の後で出てきた褐牛を食ったときは「うまい!」といってた。

アスリートは正直だね。

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バッタ?

ランツブルドッグlanz bulldogというオールド(ビンテージ?)トラクターです。

Lanzbulldog ←まるでバッタ。

とある場所に保存されている1950年代製造のトラクター。

なんと動くそうです。

これでシゴトしてたんだもんねえ。

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米産牛肉がやってくる

アメリカ産牛肉の輸入再開。でもさあ、の話。

ニュースによれば、「アメリカの施設」を「事前に」「査察する」ことなどを「条件に」、「輸入を再開」することで「合意」だそうだ。だいたいこの順番である。

別にいいんですよ、安全性が確保されれば輸入したって。

でもね、「輸入を再開」することをとりあえず「合意」して、その後で「安全性を確認」しましょう、に近いことやってねえか?

前回(背骨混入)のときと同様、総理大臣がアメリカ大統領に会いに行くための手土産合意じゃあないの?これ(そりゃー大統領専用機に乗せてもらってプレスリー記念館(だっけ?)見に行って楽しいよねー)。

安全性が確認されたから輸入を再開します、という当たり前の順序の話にならないことがすごーくイヤ。

まー一応畜産関係者として、科学的な知識ってのはそれなりにあるし、「安全」と「安心」みたいなことについて一般の消費者(これって差別だけどね)よりは米国産牛のリスクについても承知はしていて、食べたい気持ちもあるんだけど。

大統領へのお土産、なんていうおかしなな理由で脅かされたのは「食の安全」なんかじゃなくて「政治の良心」じゃねえの?

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バーンミーティング

北海道よりM氏を迎えて、県内2ヶ所でバーンミーティングと講演会が行われたので参加しました。
そのなかで印象的だった言葉を2つ。

『技術にいいも悪いもない。特徴があるだけだ』
結局どっちがいいのか?これじゃダメなのか?とか、飼槽やベッド周りの施設のサイズなど、やっぱり具体的な答えや数字を求めてしまいがち。でもひととおりに決まるもんでもない、という話。
経営者が求めているものと牛の状態を知り抜いて、経営者に提案ができる技術者であるために、自分の勉強が足らなさ過ぎと猛省。ただほんとうにそれができる指導的な技術者は私の周りには少ないなーということを感じたのも事実。行動あるのみ。結果がすべて。

『皆さんも困ったときはがんばってください』
ハーベスタに巻き込まそうになった北海道のある経営者が、がんばってがんばってしがみついて足の骨折で済んだそうである。この上なくがんばってがんばったそうで、そのことについてのM氏コメントがこれ。
自分がそうなったらがんばりきれるか?がんばりきれると断言できるほど、酪農に対して腹を括ってるかというと、たぶん自分はがんばりきれないんじゃないかなー。バーンミーティングでの余談だけど、これが一番考えさせれた一言でした。

なによりもしゃべりのテクニックだなー。ほんとに飽きさせずに、伝える情報は伝わっている印象でした。
夜の部もあったけど、粗飼料の自給率の考え方とか飼料イネについてとか、いろいろと面白い(公にはできない?!)話も聴くことができて、M氏を呼んでこの会をセットしてくれた方々に感謝です。

  ☆

フキュウシドウインの勉強しなきゃー。

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